FRBの0.5%利上げで株価は乱高下! 今後の行方は?
2022年5月6日 16:33
●FRBが大幅利上げ
米国連邦準備理事会(FRB)は、4日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、FF金利の誘導目標を0.5%引き上げた。同時に6月からのバランスシート縮小開始とその縮小プランも発表している。
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0.5%の大幅利上げは22年ぶりで、改めてインフレ抑制への対策が急務であるという姿勢がうかがえた。これを受けて、4日のNYダウは932ドル高となったものの、翌5日は1000ドル以上の大幅下落となった。
長引くロシアのウクライナ侵攻、中国でのロックダウンへの警戒感など、世界情勢が不安定で、インフレ抑制が課題となっており、世界的に株価への影響が懸念される。
●0.5%の利上げは織り込み済み
FRBのパウエル議長は、3月にも0.5%の利上げを示唆していた。
各連銀の総裁も0.5%の利上げに賛成しており、今回の大幅利上げは決してサプライズというわけではない。バランスシートの縮小も想定の範囲内だった。
3月の利上げでは0.25%に留めていたが、市場への混乱を避けるために小幅に利上げし、今回の5月に0.5%利上げするための布石ではないかという見方もあった。
●セルインメイも重なるのか?今後の利上げにも注意
相場の格言で、1月から4月にかけて株が買われ、その反動で5月に売られやすい「セルインメイ」がある。
1~4月が上昇相場であった時に、その傾向が強く、今年に関してはその傾向は当たらない。セルインメイよりも、今後注目されるのは利上げのペースである。
今回パウエル議長が0.75%の利上げに関しては積極的に検討しないとコメントし、市場関係者に疑心暗鬼を生じさせないよう、慎重な姿勢を見せた。この発言を受けて、米国2年債利回りが低下した。
だが今回の株価の急落を考えれば、市場関係者は0.75%の可能性を排除していないと思われる。
今後は物価上昇率や失業率の数字も重視される。数値が悪化すると景気後退が意識され、株が売られやすくなる可能性もある。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)