三井物産、ADWAYS、TOAなど/本日の注目個別銘柄
2022年5月6日 15:46
<8031> 三井物産 3386 +194大幅続伸。2日の取引時間中に決算を発表、その後は乱高下の末にやや軟化する展開だったが、本日はポジティブ視する動きが優勢に。22年3月期純利益は9147億円で前期比2.7倍となった一方、23年3月期は8000億円で同12.5%減を見込む。足元の市況動向からみると業績見通しは保守的との見方が強まったほか、発行済み株式数の3.1%に当たる5000万株、1000億円の自社株買いも期待以上との見方も。
<2489> ADWAYS 913 +126急伸で年初来高値を更新。2日に第1四半期の決算を発表、営業利益は6.6億円で前年同期比20.0%増益、前四半期比でも29.2%増益となっている。通期予想も従来の11億円から14.2億円に上方修正、マンガアプリを展開する広告主からの需要が増加したほか、台湾におけるブランド広告主向けブランディング広告も好調のもよう。年間配当金も従来計画3.69円から5.49円にまで引き上げている。
<6809> TOA 773 +70急伸で年初来高値を更新。2日に22年3月期決算を発表、営業利益は21.6億円で前期比5.8%減益となり、従来計画の25.5億円を下振れる着地に。一方、23年3月期は29億円で同34.3%の大幅増益見通しとしている。さらに中期計画において株主還元施策を強化、年間配当金は前期の20円から40円に引き上げるとしている。中計における業績数値目標としては、26年3月期営業利益45億円を目指すとしている。
<4523> エーザイ 5657 -78急反落。4日に22年3月期の業績修正を発表、営業利益は従来予想の780億円から535億円に下方修正した。アルツハイマー病治療薬のアデュカヌマブに係る販売権の評価を見直した結果、減損損失80億円を計上するほか、在庫評価損の同社負担分165億円を販管費に計上する。市場予想はほぼ会社計画水準であった。一過性のコスト計上に対する警戒感はあったもようだが、大幅下方修正をマイナス視する動きに。
<6920> レーザーテック 17365 -965大幅反落。東京市場連休中に開催された米FOMCでは想定通りに0.5%の利上げが決定されたが、FRB議長会見を受けて今後の0.75%利上げ観測は後退、4日の米国市場は大幅上昇となったものの、前日は一転して急反落した。FRBの引き締めペースでの高インフレ抑制は困難との懸念が強まり、長期金利が再上昇、売り圧力となった。米長期金利の上昇を警戒して、同社を筆頭とするグロース株は総じて売り優勢の展開に。
<9101> 郵船 9810 +20続伸。22年3月期経常利益が1兆円規模になったとの観測報道が伝わった。なお、会社計画は前期比4.3倍の9300億円。海上物流の需給逼迫によるコンテナ船運賃の高止まり、為替の円安・ドル高進行などが上振れの背景。国内海運業では過去最高の利益水準となったもよう。サプライズは限定的とみられるが、グロース株の先行き不透明感が続くなか、バリュー株の代表銘柄として素直にポジティブ視する動きが優勢となった。
<7915> NISSHA 1521 +132急伸。クレディ・スイス証券は投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に格上げ、目標株価も1620円から3000円にまで引き上げている。ディバイスでのコストコントロールに加え、事業ポートフォリオの組み替えによる収益体質の改善は株価に織り込まれておらず、PER水準は割安とみている。22年12月期営業利益は会社計画115億円を上回る132億円を予想している。
<9501> 東京電力HD 530 +74急伸で年初来高値を更新。岸田首相が前日にロンドンで講演し、「資産所得倍増プラン」の開始などを表明。この中で、「既存の原発1基が再稼働すれば年間100万トンの液化天然ガス供給と同じ効果がある」と再度述べており、安全を確保した原発の有効活用を図る方針を示している。これを受けて、あらためて原発再稼働による収益力の回復を期待する見方が優勢となっているようだ。
<2768> 双日 2069 +88大幅反発。2日の取引時間中に22年3月期決算を発表。純利益は823億円で前期比3倍の水準となり、従来計画の800億円をやや上回った。期末配当金も従来計画58円から61円に引き上げ。23年3月期純利益は850億円で同3.2%増と、連続増益の見通し。また、市況前提などは保守的との見方が優勢となりつつあるほか、年間配当金は前期比6円増配となる112円としており、利回り妙味なども意識された。
<4922> コーセー 12550 -1180急落。同社の他に資生堂<4911>も大幅安となるなど、化粧品の一角が安い。米エスティ・ローダーが3日に第3四半期決算を発表。1-3月期売上高は市場予想を下回り、通期業績予想を下方修正している。中国ロックダウンの影響などを反映したものとみられる。つれて、株価はここ3営業日で7.2%の大幅安となっている。国内化粧品メーカーにも警戒感が波及する展開となっているようだ。《TY》