ネットフリックス株急落、新たな相場へ移行の象徴か!?
2022年4月26日 17:10
●ネットフリックス株が急落
米国動画配信大手のネットフリックスの株価が20日、約35%急落した。下落は止まらず、昨年11月の最高値からは3分の1以上も下落している。
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その前日の19日、ネットフリックス社は、約10年ぶりに会員数が減少したことや、4-7月期にさらに会員数が200万人減る見込みであることを発表。これが引き金となり、大幅に売られた。
米富豪・アックマン氏のヘッジファンドもネットフリックス株を全売却し、4億ドル(約520億円)を超える損失を出したとロイター通信などが報じている。
コロナ禍以降、巣ごもり需要で、会員数・売り上げを大幅に伸ばしてきたネットフリックスであるが、正念場を迎えることとなった。
ナスダック総合も下落し、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズなど、コロナ禍で好調だった銘柄も下落している。米国での利上げも本格化し、新たな相場へと移行していくのだろうか?
●ネットフリックスとは?
ネットフリックスは、1997年に米国・カリフォルニア州で設立。当時は、世界初のオンラインでのDVDレンタルサービスを展開していた。
現在は、世界各国でコンテンツを制作・配信しており、加入者数は2.2億人以上、FANGの一角を占める巨大企業へと成長している。
●下落の原因と相場全体への影響
巣ごもり需要が一巡した後も、ネットフリックスは好調だった。「ザ・クラウン」「イカゲーム」のような世界的なヒット作にも恵まれた。
だがアマゾンやディズニーなど、動画配信サービス同士の競争も激化しており、優位性は低下している。
複数世帯がアカウントを共有し、無料視聴していることも問題となっている。今後これらをどう取り締まっていくかも、課題だ。
契約者数の減少は、ロシアのウクライナ侵攻により、ロシアでのサービス停止も大きく影響している。
コロナ前の生活が戻りつつある中、レジャーや旅行などと消費の奪い合いもある。加えてインフレも、新規会員獲得の妨げや、解約増加へと繋がりかねない。
コロナ禍で好調だった企業は、新たな転換点を迎えているのかもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)