【どう見るこの相場】4月の新年度相場は荒れ模様、5月相場はさらに大波乱も?
2022年4月12日 08:24
【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】
■5月相場の日並びは天下分け目の剣が峰?!
今年5月のゴールデンウイークは、飛び石連休で日並びが悪いとか、谷間の2日を休めば10連休となるからラッキーなどと浮かれている場合ではないようである。4月の新年度相場は、すでに3分の1が過ぎ、荒れ模様が続いているが、これは序の口で5月相場はさらに大波乱が予想されるからだ。5月相場は、ビッグ・イベントが目白押しとなってゴールデンウイークとは異なって日並びは最悪で、それこそ天下分け目の剣が峰相場となる目もあるかもしれないのである。
例えばウクライナ情勢は、例年5月9日に開催されるロシアの対独戦勝記念式典が重要なフシ目とするのが報道機関や専門家の見方となっているようである。プーチン大統領は、式典でウクライナへの軍事侵攻の戦果を誇示するためにもここに向けさらに無差別攻撃をエスカレートさせる可能性があるためだ。米国の長期金利が上昇して、マーケットを大揺れに揺るがせているFRB(米連邦準備制度理事会)の政策金利引き上げ、資産圧縮も5月3日、4日に開催されるFOMC(公開市場委員会)が正念場になる。
また新規感染者数がリバウンド中の新型コロナウイルス感染症も、ゴールデンウイーク中のリベンジ消費で「第7波」へと悪化し、「まん延防止等重点措置」が再発出されないとも限らない。さらに連休前から連休後にピークとなる3月期決算会社の業績発表では、次期業績のガイダンスが、地政学リスクに伴う資源価格の高騰、生産コストの上昇などから軒並み慎重になることも想定され、期待の業績相場が、失望の逆業績相場に暗転することも懸念される。
ことほど左様にビッグ・イベントが、すべてマイナスに働けば最悪事態も想定され、手も足も出ないどころか背筋も凍る恐ろしさにさえ捉えられる。連休前に利益確定売りだろうと損切りだろうと、米国の相場格言の「Sell in May,and go away(5月に売り逃げろ)」の通りにポジションをすべて手仕舞ってしまいたくなるのが投資家心理というものだろう。しかしである。ディフェンシブ100%でなく、あるいはせめて攻め味を10%程度は残したいという投資家も少数派ながらいるかもしれない。諺でも「禍福はあざなえる縄の如し」、「災い転じて福となす」、「窮すれば通ずる」などいろいろと教えてくれており、プーチン大統領、ゼレンスキー大統領、バイデン大統領、パウエルFRB議長らのそれぞれの顔色次第との観測も当然、生じることになるからだ。
■2R関連株で「無事これ名馬」も選択肢
そこで今週の当特集では、そうした投資家向けに2R関連株へのスタンバイをお勧めすることとした。2Rとは、リユース(Reuse・再利用)、リサイクル(Recycle、廃棄物利用)である。この関連株は、主力株から外れ傍流も傍流に位置するが、まさに「禍福はあざなえる縄の如し」を体現するように好悪材料が足元で交錯したからである。
ロシアへの経済政策により中古車輸出の15%を占めるロシア向けが急減した需給悪化で、国内の中古車価格が、2月の最高値から急落したと伝えられたのは今年3月20日だった。一方、これに先立ってトヨタ自動車<7203>(東証プライム)が、今年4~6月のグローバル生産台数を半導体不足やロシア工場の生産停止などによって下方修正したことから新型車の納車がさらに遅れるとして中古車オークションのトップ企業のユー・エス・エス<USS、4732>(東証プライム)の株価が動意付いた。また前週末8日付けの日本経済新聞では、日野自動車<7205>(東証プライム)のエンジン不正問題による中・大型トラックの出荷停止が響き中古トラックが値上がりしていると伝えられた。このほか前週末に相次いで月次売上高が発表されたブランド品の買い取り・販売会社も、好調な推移を示し、業績を上方修正した銘柄も続いた。
リサイクル関連株でも、ロシアからの原油・天然ガス、希少金属の供給途絶懸念で原油・天然ガスはもちろん希少金属や貴金属関連の価格が上昇し注目度がアップしている。2R関連株で来るかもしれない大嵐が凪ぎに変わるのをやり過ごし諺の「無事これ名馬」を選択するのも一考余地がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)