米上院、第2次世界大戦でも行われたレンドリース法を全会一致で可決
2022年4月8日 17:43
あるAnonymous Coward 曰く、 アメリカ上院は7日、ロシアのウクライナ侵攻に関して大統領がより効率的に武器やその他の物資をウクライナに送ることを可能にする第二次世界大戦時代のプログラム「レンドリース法(武器貸与法)」を復活させるための法律を満場一致で可決した(2022年ウクライナ民主化防衛レンドリース法、航空万能論GF、みんかぶ、Urinform)。 第二次世界大戦中に作成されたレンドリース法(武器貸与法)は、時間のかかる手続き上抜きでアメリカが連合国に迅速に補給することを可能にしたため、第二次大戦のゲームチェンジャーとみなされていた。 第二次世界大戦ではナチスドイツと戦うソ連を支援したレンドリース法(航空機1万4千機、戦車7千両、トラック37man大以上)が80年の後に今度はロシアが侵攻している国を援助するために成立するとはなんとも歴史の皮肉を感じる。なお実際の法案通過には下院での可決と大統領の署名が必要になる模様。
この新たな「2022年ウクライナ民主化防衛レンドリース法案」はウクライナ政府向けに適用されるもので、大統領が防衛用品を貸し借りする権限でかかっている制限を一時的に免除する内容となっている。免除される項目としては以下のものがある。
貸与期間が5年を超えることを禁止する 米国が貸与された防衛品をいつでも回収できる 受領国が貸与に必要な費用を米国側に支払うことに同意すること 議会が防衛品の特定の移転を禁止できる規定 こうした制約がすべてウクライナ情勢に関しては免除されることとなっている。なお、法案の有効期限は2014年のクリミア併合に始まる紛争が停止し、ロシアがウクライナ東部国境での軍事力を2021年3月1日以前のレベルに削減するまで。この条件を満たし、米大統領が認める判断を下すのであれば、ウクライナ側に提供する武器の種類、量などには制約はかからないようだ。法案の上院通過に関しては、ウクライナ側も歓迎する意向を示している。
なおロシア側は国防長官が北朝鮮を訪問して軍事支援を要請したとする報道が出ている模様。ロシアのショイグ長官は、ロシア製と部品と互換性のあるミサイル提供を求めるため、北朝鮮と中国を訪問したとされる。記事によれば、北朝鮮は支援に同意したとされている(KOREA ECONOMICS)。