ユーロ週間見通し:もみ合いか、ECBは緩和政策の早期転換に慎重姿勢
2022年4月2日 14:44
*14:44JST ユーロ週間見通し:もみ合いか、ECBは緩和政策の早期転換に慎重姿勢
■強含み、ドイツの高インフレを意識してユーロ買い強まる
今週のユーロ・ドルは強含み。ウクライナ・ロシアの停戦交渉が再開されたこと、ドイツの3月消費者物価指数速報値が市場予想を上回ったことから、ユーロ買いが優勢となった。ただ、ロシアのプーチン大統領は3月31日、日米欧などの非友好的な国の企業に対し、ロシア産天然ガスの購入に、自国通貨ルーブルの支払いを義務付ける大統領令に署名し、応じなければ、供給契約を停止すると伝えたことから、ガス供給停止を警戒してリスク選好的なユーロ買いは縮小した。ロシアとウクライナの早期停戦は実現困難との見方が浮上していることもユーロの上昇を抑えた。取引レンジ:1.1043ドル-1.1185ドル。
■上げ渋りか、米金融引き締めにらみドル買い継続も
来週のユーロ・ドルは上げ渋りか。ロシアとウクライナによる停戦交渉や首脳会談への期待は残されており、ユーロ買い・ドル売りは継続する可能性がある。ただ、欧州中央銀行(ECB)当局者からは緩和政策の早期転換に慎重な意見も聞かれ、ユーロ買いを抑制しかねない要因となろう。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)による目先の0.50%利上げに思惑が広がれば、ドル買い継続が見込まれる。
予想レンジ:1.0950ドル−1.1150ドル
■強含み、日銀金融緩和強化を意識したユーロ買いも
今週のユーロ・円は強含み。日本銀行は3日連続指し値オペ(公開市場操作)を実施し、金利上昇抑制に強い姿勢を示したほか、ウクライナとロシアの停戦交渉再開を好感して、ユーロ買い・円売りが先行した。ユーロ・円は一時137円台に上昇した。ただ、日本政府は急激な円安進行をけん制したこと、ロシアの天然ガス供給を巡って欧州経済の景気後退入り懸念も浮上し、ユーロ買い・円売りは縮小した。取引レンジ:133円94銭−137円53銭。
■もみ合いか、ECBは緩和政策の早期転換に慎重姿勢
来週のユーロ・円はもみ合いか。欧州中央銀行(ECB)当局者は緩和政策の転換に慎重姿勢を示しており、ユーロ買いを抑制する要因になりやすい。ロシアとウクライナによる停戦交渉は進展したものの、エネルギー供給問題が残り、ユーロは買いづらい。ただ、日本銀行は緩和方針や指値オペなど円安誘導を継続しており、ユーロ売り・円買いがただちに強まる可能性は低いとみられる。
○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・7日:2月小売売上高(1月:前月比+0.2%)
予想レンジ:134円30銭−136円30銭《FA》