三菱UFJ銀と東京海上が提携、GXサービス提供へ
2022年4月2日 16:13
三菱UFJ銀行(東京都千代田区)と東京海上日動火災保険(東京都千代田区)は3月31日、グリーン・トランスフォーメーション(以下、GX)に関わるサービス開発に向けて提携すると発表した。2022年度中にコンサルティングサービスを開始する予定だ。
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まずは企業の排出する温室効果ガスの見える化や、気候変動によってもたらされる物理的影響、低炭素化実現に伴う費用負担などの分析と評価を実施。コンサルティングサービスとして提供する。
続いて、分析結果に基づいて温室効果ガスの削減計画を策定。関連する各種の認定取得もサポートする。これらを踏まえ最終的には、経営戦略の遂行に必要な保険やファイナンスなど解決手段もサポートしていく。
両社は協業し、気候変動分野に関して企業が現状把握できるよう支援。高度な戦略を立て、対策を実行するところまでワンストップでサービスを提供する方針だ。2030年には、2013年度比で温室効果ガスの排出量46%削減に寄与したい考え。
温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させる「カーボンニュートラル」が世界的に重要なテーマとなっており、取り組みが加速している。これを受けて企業も、GX促進が喫緊の課題として意識されるようになってきた。
企業の選定条件に、温室効果ガスの削減の目標設定などがあげられるケースが見られるようになっているため。また、環境・社会・ガバナンスを考慮したESG投資が主流になりつつある。競争の優位性確保や資金調達のためには、大企業のみならず中小企業もGSに取り組む必要性が増している。
三菱UFJ銀行と東京海上日動火災はともに、総合金融業として世界中の投資家動向や業界動向などの情報収集を行っている。また、多様な分野での事業機会やリスクの分析力を有する。これまでこうした強みをもとに、保険やファイナンスなどのサービスを展開してきた。
気候変動分野においても両社の保有する様々なリソースと専門性を生かして、サービスを始動する。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)