博多駅線路上空を複合開発、JR九州の「空中都市プロジェクト」が始動
2022年3月16日 16:14
JR九州は博多駅(福岡市博多区博多駅中央街)の線路上空を複合開発する「博多駅空中都市プロジェクト」を始動した。線路をまたぐビルを建設して博多口と筑紫口の回遊性を高めるとともに、ラグジュアリーホテルや最先端オフィス、駅周辺のにぎわいを増す商業施設などを設ける計画で、2028年末の完成を目指している。
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博多駅空中都市プロジェクトは、福岡市の陸の玄関口に当たる博多駅の線路上空に地域のランドマークとなる施設を整備し、国際ビジネス都市、国際観光都市としての福岡市の価値を高めるのが狙い。開発予定場所は在来線竹下側の約5,200平方メートルとなる。
開発するビルの詳細はこれから詰めることになるが、全室35平方メートル以上のゆとりある客室と眼下のトレインビューを売り物にするラグジュアリーホテル、基準階面積3,300平方メートル以上の最先端オフィス、駅周辺のにぎわいを増す商業施設などを入れる予定。最先端の感染症対策を施し、脱炭素時代を牽引する環境性能を持たせる。
街の回遊性向上にも取り組み、博多口と筑紫口を結ぶ新たな動線を整備するほか、イベントに活用する広場を設ける。さらに、外壁のセットバックなどを施して歩きやすく、心地よくした歩行者空間をつくる。
福岡市は博多駅周辺で地下鉄七隈線延伸や、はかた駅前通り再整備など交通基盤の拡充とともに、容積率緩和を進めて駅周辺の建物の建て替えを推進する「博多コネクティッド」を進めている。
JR九州の博多駅空中都市プロジェクトは、博多コネクティッドを実践するもので、完成すれば博多駅周辺の商業やビジネス機能がさらに充実し、にぎわいと利便性が大きく増すことになりそうだ。(記事:高田泰・記事一覧を見る)