ウクライナのガス企業2社が生産停止、半導体製造にも影響か

2022年3月15日 15:20

戦争中のウクライナで世界需要の半分を生産しているとされるネオンガス。このネオンガスは半導体製造などにも用いられている。製造を行っているウクライナのIngasとCryoinの2社は11日、操業を停止したことが報じられている。ロイターによれば、両社はネオンの世界供給の45~54%を生産していたという(ロイター)。 日本の半導体製造向けの光源などを手がけるギガフォトンによれば、同社のエキシマレーザーに使っているネオン(Ne)ガスにはほぼ影響がないとしている。同社ではウクライナからのNeガスの調達はわずか数%程度に留まっているという。また同社はレーザーのネオンガス消費量を半減するeTGM技術なども所有している(日経クロステック)。 一方で韓国のSamsung ElectronicsやLG Electronicsなどは、製造に使用しているネオン(Ne)やクリプトン(Kr)、キセノン(Xe)の多くをロシアやウクライナから輸入しており影響が懸念される事態となっている。日経クロステックの記事によれば、韓国は昨年、ネオンはロシアからが5.2%、ウクライナからが23%、クリプトンはロシアからが17.5%、ウクライナからが30.7%、キセノンはロシアからが31.1%、ウクライナからが17.8%輸入していたという(日経クロステックその2)。 国内でも供給不足や価格高騰への懸念を持つ企業も出てきている。NHKによると、都内のある工場ではネオンガスなどの供給不足だけでなく、材料として使っているアルミはロシア産のものが多いことから、都の中小企業振興公社に今後の対応を相談していたという。都側はこうした相談に対しては融資制度や専門家の派遣などの提示を行っているとしている(NHK)。 

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