ユーロ週間見通し:弱含みか、ECBの金融政策は現状維持の予想

2022年3月5日 14:41


*14:41JST ユーロ週間見通し:弱含みか、ECBの金融政策は現状維持の予想
■ロシア軍は原発制圧との報道でユーロ売り加速

今週のユーロ・ドルは軟調推移。国際決済網からロシアの大手銀行を排除したことを受けユーロ売り・米ドル買いが先行した。ウクライナとロシアが停戦協議を行ったことを好感してユーロ売りは一時縮小したが、欧州中央銀行(ECB)は金融政策の正常化を急がないとの見方が強まり、ユーロ売り・米ドル買いが再び活発となった。ロシア軍がウクライナの欧州最大の原子力発電所を制圧との報道で緊迫感が一気に増し、ユーロ売りが加速した。取引レンジ:1.0886ドル-1.1246ドル。

■弱含みか、ECBの金融引き締め期待は後退

来週のユーロ・ドルは弱含みか。ロシアと欧米による制裁がエスカレートし、欧州におけるエネルギー供給への不安からユーロ売りが先行しそうだ。また、ユーロ圏はインフレ高進が鮮明だが、欧州中央銀行(ECB)の金融引き締め期待は後退しており、ユーロの反発を抑えるとみられる。一方、米インフレ指標の上昇は一服するものの、金融正常化への思惑や地政学リスクによる有事のドル買いが入りやすい。

予想レンジ:1.0750ドル−1.1050ドル

■軟調推移、ウクライナ情勢悪化でリスク回避のユーロ売り

今週のユーロ・円は軟調推移。ロシア国防相が「ロシア軍は目的を達成するまでウクライナでの軍事作戦を継続する」と述べ、ユーロ売りに転じた。その後も、ウクライナ・ロシア双方の主張の隔たりの大きさから停戦協議への期待は後退し、欧州最大級の原発が制圧され、ユーロ売り・米ドル買いが加速した。取引レンジ:125円07銭−129円78銭。

■弱含みか、ECBの金融政策は現状維持の予想

来週のユーロ・円は弱含みか。ロシアと欧米による制裁措置の応酬で世界経済の腰折れ懸念から、世界的な株安が進み円買い先行となりそうだ。また、欧州のエネルギー面に不安が高まり、域内経済への打撃が警戒される。10日開催の欧州中央銀行(ECB)理事会では緩和的な金融政策を継続する見通し。経済指標は持ち直しつつあるものの、引き締め期待の後退でユーロ売りに振れやすい。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・10日:欧州中央銀行理事会(金融政策は現状維持の予想)

予想レンジ:123円50銭−127円00銭《FA》

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