百貨店の1月売上、4カ月連続でプラス 月後半はオミクロンの影響で伸び悩み

2022年2月27日 07:33

 日本百貨店協会が2022年1月度の売上高を発表し、月前半が好調だったことで、新型コロナのオミクロン株の影響により伸び悩んだ月後半の落ち込みをカバーして、4カ月連続で前年同月比プラスとなったことが分かった。

【前月は】百貨店とSCの12月売上、ともにプラス 年末商戦が好調

■月前半の伸びで4カ月連続前年同月比プラス

 24日、日本百貨店協会が2022年1月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)15.6%増の3,751億85万8,000円となり、4カ月連続でプラスだった。ただし、新型コロナウイルス感染拡大前の前々年比は18.8%減で、21年12月の6.1%減からマイナス幅が拡大している。

 緊急事態宣言が発動された前年の反動や、気温低下によるコートやジャケットを始めとした冬物衣料品が好調だった。だが1月後半になるとコロナのオミクロン株感染拡大に伴うまん延防止措置が取られたことで、厳しい状況に陥った。

■東京、横浜、名古屋、福岡で20%超のプラス

 都市別では全てプラスで、特に東京(前年同月比:23.9%増、以下同じ)、横浜(21.0%増)、名古屋(22.3%増)、福岡(25.3%増)で大きく伸びた。また京都(17.9%増)、大阪(14.8%増)、神戸(17.1%増)でも2桁割合の増加。一方、札幌(5.2%増)、仙台(9.2%増)、広島(1.7%増)が1桁割合の増加に留まった。

 都市以外の地区では、8地区中7地区がプラス。特に関東(10.4%増)、中部(10.2%増)で2桁割合の増加。唯一、東北のみ3.4%減と8カ月連続でマイナスだった。

■紳士・夫人衣料品が2桁割合の増加

 商品別売上高は、多くの分野でプラスだった。特に紳士服・洋品(前年同月比:18.7%増、以下同じ)、婦人服・洋品(21.2%増)、美術・宝飾・貴金属(33.4%増)、菓子(15.8%増)、総菜(11.9%増)、食堂・喫茶(32.6%増)、サービス(11.8%増)で2桁割合の増加。

 反対に家電(16.3%減)、生鮮食品(3.9%減)、その他(2.9%減)の3分野でマイナスだった。家電は7カ月連続で、生鮮食品は8カ月連続でマイナスとなっている。

■2月の足元は前年比6.9%増

 同日、東京地区の売上高概況も発表した。1月の売上高は前年同月比23.9%増の1,060億3,770万3,000円となり、5カ月連続でプラスとなった。

 商品別では婦人服・洋品(前年同月比:33.6%増、以下同じ)、身の回り品(38.7%増)、美術・宝飾・貴金属(50.1%増)、菓子(30.2%増)、食堂・喫茶(43.2%増)で大幅に伸びた。一方で家電(22.3%減)、生鮮食品(2.1%減)、その他(21.3%減)の3分野でマイナスだった。

 2月17日時点における2月の状況は、前年同月比6.9%増と好調。ただし、コロナ前の前々年比では約15%減と厳しい状況が続いている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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