地方企業のDX推進 副業者の積極的活用で人手不足を解決
2022年2月13日 08:39
現在、地方企業もDX推進という大きな問題に直面している。しかし、すでに人材不足に悩む地方企業にとって、DX人材の確保はより困難な課題だ。本記事では、地方企業のDX人材不足を解決する手立てになり得る、副業者の積極的活用について紹介する。
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■地方企業の労働生産性向上にもDXは不可欠
DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、競争優位性構築のため、デジタル技術やITを活用してビジネスを革新させる取り組みである。GAFAをはじめ、世界をリードする企業の多くが、デジタル技術の積極的導入とDXを重要視している。それは現在、さらに将来的な消費者・顧客・社会のニーズの変容に対応するには不可欠だからだ。
日本政府も以前からDXを急務の課題とみなし、菅政権時代にも、行政のデジタル化に積極的に取り組んでいた。
2018年には、経済産業省が『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』を発表している。このレポート内では、2025年には日本企業の約60%のシステムが「レガシーシステム」となると予測。「レガシーシステム」とは、世界競争に対応できない旧型システムになるということだ。そしてレポートでは、この危機を「2025年の崖」と表現して、強い懸念を示した。
DXは、大企業だけでなく地方企業にとっても大きな課題である。中小企業庁が発表した2021年版「小規模企業白書」によれば、約30~40%の企業が人材不足に苦しんでいる。
これには少子高齢化と、それに伴い熟練したスキルを持つベテラン人材の引退が大きく関わっている。少ないリソースでビジネスを前進させるには、労働生産性の向上と業務効率化を図らなければならない。この点でも、DX推進が課題解決の道筋となるのだ。
■副業者が地方企業のDX人材不足を解決
地方企業にとってもDX推進は避けられないテーマだが、同時にDXの専門的知識を持つ人材の確保が大きな壁となる。限られた人材を日本全国で奪い合うような構図となると、人材獲得競争において地方企業には不利な状況だろう。ここでDX人材不足解決の糸口となりそうなのが、副業者の積極的な活用だ。
転職サービス「doda」を運営するパーソルキャリアは、地方企業のDX推進を積極的に後押ししている。DX関連のセミナーにも積極的に登場しており、地方特化型副業マッチングプラットフォーム「Loino」も運営している。
「Loino」は、地方企業だけでなく、地方での副業を検討しているビジネスパーソンにとっても大きなメリットがある。都市部に勤めている副業者にとって、地方での副業の障害となるのは移住などの問題だ。だが「Loino」の副業はリモートワークを前提としているため、現在の生活環境を変えずに地方で副業できる。加えて、案件も3カ月~1年ほどの期間が多いため、腰を据えてプロジェクトに関われる点も魅力的だ。
地方企業にとってDX人材不足を解決するのは、「Loino」が提供するような、ITを活用したワークシェアリングである。これもDXの一例であり、副業のあり方すらもDXが変えていくのだ。(記事:西島武・記事一覧を見る)