映画『GAGARINE/ガガーリン』解体される団地、宇宙⾶⾏⼠を夢⾒る青年の青春と初恋

2022年2月9日 11:02

 映画『GAGARINE/ガガーリン』が、2022年2月25日(⾦)に公開される。

■“パリ郊外に実在する団地”が舞台の青春映画

 映画『GAGARINE/ガガーリン』は、フランス・パリ郊外に実在する<ガガーリン>公営住宅を舞台にしたエモーショナルな青春映画。「地球は⻘かった」の⾔葉で有名な宇宙⾶⾏⼠ガガーリンに由来する名前を持つこの団地で、16才のユーリは宇宙⾶⾏⼠を夢⾒みて、かつて⾃分を置いていった⺟の帰りを信じて待ち続けていた。

 そんな中、2024年パリ五輪開催のため、⽼朽化したガガーリン団地の解体計画が持ち上がる。ユーリは、母との大切な思い出が詰まったこの場所を守るため、友人のフサームや、恋心を寄せるディアナと共に立ち上がった。団地解体の刻が迫るなか、空っぽになった無人の住宅を大好きな宇宙船に改造し、この場所を守る事を決意するのだが...。

■ファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユの長編デビュー作

 映画『GAGARINE/ガガーリン』は、監督であるファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユの男⼥2⼈組による⻑編デビュー作品。エモーショナルな物語と圧倒的な映像美で、73回カンヌ国際映画祭の<オフィシャルセレクション>初監督作部⾨に選出され、デビュー作にも関わらず第93回⽶アカデミー賞国際⻑編映画賞フランス代表の最終選考まで突破した。

■気鋭の若手俳優が出演

 主演は、映画『GAGARINE/ガガーリン』で才能を⾒出されたアルセニ・バティリ。スクリーンデビューとは思えなぬ程の⾼い演技⼒で、主⼈公の揺れる⼼情を体現し、第17回セビリヤ・ヨーロッパ映画祭ほか、各国の映画祭にて主演男優賞を受賞した。

 他キャストは、ウェス・アンダーソン監督最新作『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』にも出演する注⽬の若⼿⼥優リナ・クードリ。

出演作の『パピチャ 未来へのランウェイ』がアカデミー賞外国語映画賞にノミネート、ディオール(DIOR)のアトリエを舞台にした『オートクチュール』でナタリー・バイとの共演も果たした注目の女優だ。

 レオス・カラックス作品の常連ドニ・ラヴァンも、特別出演している。

■若者の心の機微を繊細に描く

 ノスタルジックで幻想的な映像と共に、若者たちの心の機微を繊細に描いた映画『GAGARINE/ガガーリン』。

監督両名は、制作意図について「<ガガーリン>団地は貧しい⼈々が住む極地的なエリアだ。メディアはこの地域の治安の悪さばかりを取り上げる。フランスでは、本作のような映画を<Film du banilieue>(郊外の映画)と呼び、その映画に描かれているもの全てについて、ある種の新しいジャンルであるかのように⾔う。しかし、それは違うと思っている。そこには様々な語られるべきストーリーがある。たまたま貧しい古い建物が⽴ち並ぶエリアに住んでいるだけなのだ」とコメント。

 さらに、「団地に住む⼦供たちの中には、外界と交流をしたがらない⼦もいるが、本作の主⼈公のユーリにとって、団地は宇宙船で、宇宙船から外に出れば⾃由になれる、息が出来ると思っている、ただ団地は彼の⺟のお腹の中と同じ。なかなか外に出る勇気が持てない。(団地を)そういう存在として描いた」と語っている。

 <映画『GAGARINE/ガガーリン』あらすじ>
パリ東郊に位置する⾚レンガの⼤規模公営住宅“ガガーリン”。この場所で育った16歳のユーリは部屋の天体望遠鏡から空を観察し、宇宙⾶⾏⼠になることを夢⾒ていた。⽼朽化と24年パリ五輪の為に取り壊す計画が上がった団地では、次々と住⼈の退去が進むが、ユーリは帰らぬ⺟との⼤切な思い出が詰まったこの場所を守るため、友だちのフサームとディアナと⼀緒に取り壊しを阻⽌しようと動き出す―。

⾃由で明るいディアナに恋⼼を抱き、彼⼥や親友フサームとのふれ合いの中で、不器⽤ながらも少しずつ成⻑していくユーリ。消えゆく世界に留まりたい、団地から抜け出して夢を追いかけたい気持ちとの間で揺れるユーリは、団地解体の刻が迫るなか、空っぽになった無人の住宅を大好きな宇宙船に改造して守る事を決意する。

【詳細】
映画『GAGARINE/ガガーリン』
公開日:2022年2月25日(⾦)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国公開
監督:ファニー・リアタール、ジェレミー・トルイユ
出演:アルセニ・バティリ、リナ・クードリ、ジャミル・マクレイヴン、ドニ・ラヴァン

2020|フランス|95分|カラー|シネスコ|5.1ch|フランス語|原題:Gagarine
配給:ツイン

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