「I don’t like it.」の言い換え (2) 相手に悪印象を与えない丁寧な英語表現

2022年2月2日 11:29

 前回、「I don’t like it.」の丁寧な言い換え表現として、「I don’t appreciate…」と「not my cup of tea」を紹介した。今回もそれに続いて、日常会話でも重宝する便利な言い方をいくつか見ていこう。

【こちらも】「I don’t like it.」より丁寧で洗練された英語表現

■「I am not fond of…」

 「I don’t like it.」と特に違いがないように感じるかもしれないが、同じ否定形でも「I am not fond of…」の方がずっと丁寧だ。「I don’t like it.」は「I dislike it.」と同じく強い印象を与えるのだが、「I am not fond of…」は、いわば「I don’t love it.」のように、対象に対してそれほど好意があるわけではないと、やんわり伝える時に効果的である。

 たとえば、「I am not fond of dancing, but I will give it a go.」のように使う。この場合、「あまりダンスは得意じゃないんですが、やってみましょう」と先に弁解を述べるような感じだろうか。

■「I am not a (big) fan of…」

 「I am not fond of…」とほぼ同じような意味合いで使えるのが、「I am not a (big) fan of…」である。直訳すれば「私は…の(大)ファンではない」となるが、要するに「それほど好きではない」という意味だ。なお、「I am not fond of…」と混同して、「fan」の前に「a」を付けることを忘れないようにしたい。

 「I am not a big fan of baseball.」のように普通名詞を目的語にできるだけでなく、「I am not a big fan of getting up early.」(早起きはあまり好きじゃない)などと動名詞も使える。

■「I am not (so) keen on…」

 「keen」には何かに熱中しているという意味がある。このように否定の形で使うことで、前の2つと同じくやんわりと好きではないことを伝えることができるわけだ。ただし、「keen」の後の前置詞は「of」ではなく、「on」である。1度にたくさん覚えようとすると間違いやすいので注意してほしい。

■「I am not (really) into…」

 人に何かを依頼された時など、断る際に使えるのが「I am not (really) into…」だ。

 ここでの「into」は「ハマっている」という意味でイメージすると、わかりやすいだろう。たとえば肯定形で「I’m really into that type of music!」と言えば、「その手の音楽にめちゃめちゃハマってるんですよ!」のような、かなりポジティブな姿勢が伝わる言い方になる。

 それに「not」が付くわけだから、「(あまり)ハマってない」、つまり、何か用事を頼まれた時などに使うと、「それほどやりたくない」との意味を婉曲的に伝えることができるわけだ。

 今回紹介した4種類の表現は、どれも「I don’t like it.」より丁寧で、かつ、同じ意味を伝えることができる。正しく使い分けることができれば、たとえばスピーキングの試験などで「英語ができる」という印象を与えることができるだろう。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る

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