SUBARU STI/STI、ニュル24hを目指す電動競技車の動力にヤマハ製モーター採用
2022年1月19日 08:35
ヤマハ発動機はスバルテクニカインターナショナル(STI)が開発するモータースポーツ電動競技車両「EV STI E-RA」に搭載する電動モーターユニットを提供した。コンセプトカーは1月14日から幕張メッセで開催の「東京オートサロン2022」のSUBARUブースに出展した。
この「STI E-RA CONCEPT」は、STIが地球温暖化対策としてカーボンニュートラルを希求し、自動車競技で電動技術の経験を積むことを目的とするプロジェクトで開発中のコンセプトモデルだ。
搭載する電動モーターユニットは、STIが従来のエンジン開発で築いた技術や感性により、エモーショナルなパワーユニットの創造を目指して開発。エンジン開発で得た鋳造技術や加工技術、加えて高効率なセグメントコンダクタの採用などで、コンパクトかつ高い出力を実現している。
開発中の「STI E-RA CONCEPT」が搭載するモーターはヤマハ発動機が供給するハイパーEV向けギヤ、インバータ一体式の高回転高出力ユニット。蓄電量60kWhのリチウムイオンバッテリーで4輪を駆動する。システム出力800kW(1088ps)という高出力を独自の4モーターによる4輪トルクベクタリング技術で制御する。
ヤマハでは2020年より4輪車をはじめモビリティ全般向けに電動モーター(35~200kW)の試作開発を受託。そこでは、新たにハイパーEVなど高出力帯モビリティへの搭載を想定した最大出力350kWクラス(動作電圧800V)の電動モーターユニットを開発していた。
今回、STIに提供した電動モーターの大きな特徴は、ギア、インバーターを一体化したコンパクトな一体型の電動モーターユニット。
STIは2021年7月、ヤマハ発動機が2018年に策定した「ヤマハ発動機グループ環境計画2050」を検討熟慮し、2050年までに事業活動を含む製品ライフサイクル全体のカーボンニュートラルを目指す目標を新たに設定した。そのなかで2050年までに「スコープ3(主に製品使用時など)」におけるCO?排出量を2010年比90%の削減を目標に掲げており、電動モーターユニットの試作開発受託は、この目標達成に向けた取り組みのひとつだという。
ヤマハ発動機は、すでに最大出力350kWクラスの電動モーターを新たに開発したと発表。新製品はハイパーEVをはじめとした高出力帯のモビリティ向けに業界最高クラスの出力密度を実現する電動モーターユニットであり、すでに昨年4月から試作開発受託を開始しているとしていた。
ヤマハによると今回採用したモーターは、新たにハイパーEVなど高出力帯モビリティへの搭載を想定した最大出力350kWクラス(動作電圧800V)の電動モーターユニット。
大きな特徴は前述のように、ギア、インバーターを一体化したコンパクトな機電一体型の電動モーターユニットであり、車両へ複数ユニット搭載する用途を想定しているという。(編集担当:吉田恒)