ブリヂストン、好調なプレミアム領域の補修用販売等により増収増益 稼ぐ力を再構築し通期業績予想数値達成へ
2022年1月7日 13:15
2021年第3四半期累計 業績概要
吉松加雄氏:ブリヂストンGlobal CFOの吉松でざいます。本日は2021年第3四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。まず、私から2021年第3四半期の連結決算概要についてご説明します。2021年第3四半期累計の連結業績に関して、ポイントを絞りながらご説明したいと思います。
第3四半期累計の業績概要です。当第3四半期の3ヶ月間は半導体不足の影響を受け、新車用販売が減速しましたが、プレミアム領域で補修用販売が堅調に推移し、第3四半期累計期間9ヶ月間の業績は、売上が前年同期比20パーセント増です。調整後営業利益は約2.7倍と大幅な増収増益となりました。
トラック・バス用タイヤの販売が引き続き堅調に推移し、COVID-19からの販売回復がやや遅れていた鉱山用タイヤも、力強い回復基調に入ってきています。収益性に関しては、第3四半期も引き続き売値と販売Mixの改善を進め、原材料高騰の影響をカバーしました。加えて、経費・ポスト構造改革の効果も寄与し、第3四半期3ヶ月の調整後営業利益率は12.2パーセントと、第2四半期をさらに上回り、稼ぐ力の再構築は着実に進んでいると認識しています。
財別・製品群別の状況についてはスライドに記載のとおりです。
2021年第3四半期累計 事業環境/タイヤ需要
第3四半期累計の事業環境についてご説明します。為替はUSドル・ユーロともに前年比円安で推移しました。原材料価格について、天然ゴムは昨年からの上昇がやや落ち着いたものの、引き続き高値圏で推移しました。原油は第3四半期も高騰を続けています。タイヤ需要は半導体不足の影響を受けて、新車用需要が大きく弱含む一方で、補修用は北米と欧州で堅調な回復がみられました。一方、日本市場は米欧と比べて、需要の回復が弱い状況が続いています。
2021年第3四半期累計 タイヤ販売本数:対前年 / 対19年
タイヤ販売については、1月から9月の9ヶ月間累計の販売本数を、前年比と、COVID-19拡大前の2019年比で記載しています。前年比ではグローバル全体でPSRが112パーセント、TBRが118パーセントと大きな回復となっていますが、2019年レベルへの回復途上となっています。
なお、PSRでは注力を続ける18インチ以上の高インチタイヤと、TBRでは北米における補修用タイヤの販売が特に強く推移し、2019年比でも大きく上回る水準となりました。また、ORRでは前年比で超大型が108パーセント、大型が134パーセント、中小型が127パーセントと、いずれも大きな回復となったことに加え、ORRでは大型・中小型用の新車用タイヤが2019年を上回っています。
2021年第3四半期累計 連結業績
連結業績についてご説明します。第3四半期累計の連結業績は、売上収益は前年同期比20パーセント、約4,000億円増収の2兆4,018億円となりました。調整後営業利益率は、第3四半期に稼ぐ力の再構築がさらに進み、第3四半期の3ヶ月は12.2パーセント、第3四半期累計でも11.6パーセントとなりました。
2021年第3四半期累計 調整後営業利益増減要因:前年差
調整後営業利益の対前年増減要因分析です。第3四半期累計期間の売上収益は、前年同期比20パーセント増、約4,000億円の増収により、スライドの中央右側の2つの大きな要因、販売数量回復と工場の稼働率回復に伴う加工費改善が大きく進み、これらを主因に前年同期1,742億円の増益となりました。
その他の主な要因を見ると、原材料や海上運賃などのコスト増のマイナス影響を、売値とMixおよび生産現場改善活動等の実態改善が概ねカバーしている構図、収益構造がご覧いただけるかと思います。なお前年数値については、注記に記載の内容で組み換えを行っています。
2021年第3四半期累計 セグメント別業績
セグメント別業績についてご説明します。いずれの地域でも昨年から大幅な増収増益となっていますが、特に米州・欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカにおいて、収益性が大きく向上しました。米州の調整後営業利益率は、前年の約8パーセントから14パーセントへと収益性は大きく向上、欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカは、前年の赤字から6パーセントを超える黒字へ収益性の顕著な改革が進んでいます。
2021年第3四半期累計 タイヤ事業 財別業績
タイヤ事業の財別・製品群別の業績についてご説明します。乗用車・小型トラック用タイヤの利益率は14.1パーセントとなりました。トラック・バス用タイヤの利益率は12パーセントと、いずれも前年から収益性が大きく向上しています。特にトラック・バス用タイヤは北米での堅調な販売が牽引し、上期からさらに利益率が上昇しました。
鉱山・航空機・農機・二輪用タイヤを含むSpecialtiesについても、利益率18.9パーセントと高い水準を維持しています。主力の鉱山タイヤ販売は着実に回復する一方で、指数連動での売値低下の影響があり、他の財と比べて今期の収益性回復は緩やかですが、来期以降の本格的な回復を見込んでいます。
2021年第3四半期累計 多角化事業 業績
多角化事業に関してご説明します。第3四半期累計の売上収益は2,635億円となりました。調整後営業利益は54億円の赤字となりました。米州多角化事業、スポーツ・サイクル事業にて黒字を確保する一方、国内の加工品ビジネスにおいては引き続き事業ポートフォリオの課題を抱える中、111億円の赤字となりました。
2021年第3四半期 財政状態計算書及びキャッシュ・フローハイライト
財政状態計算書およびキャッシュ・フローのハイライトについてご説明します。資産合計は対前年末2,633億円増の4兆4,527億円となりました。売上回復に伴う運転資本の増加が主な影響となっています。自己資本比率は対前年末7ポイント上昇して58.3パーセントとなり、引き続き健全性が向上しています。フリー・キャッシュ・フローは事業売却による投資キャッシュ・フローの大幅な増加により、3,577億円となりました。
2021年第3四半期累計 「調整項目」及び「非継続事業からの四半期利益」について
第3四半期累計で発生した調整項目および非継続事業の四半期利益についてご説明します。調整項目については工場の閉鎖・再編関連費用で78億円、ブリヂストンサイクルのリコール費用の増額で26億円、減損損失の17億円等により、合計122億円となりました。また、FIRESTONE BUILDING PRODUCTS(FSBP)を非継続事業に分類したことに伴い、2,299億円を非継続事業からの四半期利益として計上しています。
2021年 通期見通しについて
最後に、2021年通期見通しについてご説明します。今回、通期の業績予想は8月の第2四半期決算の際に上方修正した見通しからの変更はありませんが、その前提や考え方についてご説明します。為替はUSドル・ユーロともに8月に発表した見通しから若干の円安を想定しています。
原材料価格は、引き続き年間を通して高値圏で推移することを想定しています。タイヤ需要については、半導体不足の影響により新車用の需要は8月時点の計画から大きく下振れる見込みです。また、補修用についてもアジア地域におけるCOVID-19感染拡大の影響により、需要下振れを予想しています。
さらに第4四半期の事業環境として、原材料のみならず海上運賃エネルギーなどのコスト高騰、また北米での労務費上昇など、収益性低下要因が想定されます。そのような状況下、当社は引き続き売値/Mixの改善、経費・コスト構造改革に注力することで、さらなる稼ぐ力の再構築を推進し、収益性低下要因を吸収しながら、8月にご提示した通期業績予想数値の達成を目論んでいます。
これらの見通しに基づき、当社の通期業績予想については8月に発表した内容からの変更はありません。なお、今後の事業環境や当社業績の推移を踏まえ、業績予想に変更が生じる際には、その時点で速やかに開示します。私からの説明は以上になります。ご清聴ありがとうございました。
Bridgestone 3.0 Journey toward 2030
石橋修一氏:みなさま、こんにちは。Global CEOの石橋でございます。決算に続きまして、私から第3四半期の取り組み、中期事業計画進捗をご説明します。
今年は実行と結果にこだわり、2030年を見据えて、「サステナブルなソリューションカンパニーへ ヒト・モノの移動と動きを支え、社会価値・顧客価値を創出、競争優位の獲得」をテーマとして、その実現へ向けて取り組みスピードを上げています。
Bridgestone 3.0 ビジネスシナリオ:中期事業計画 (2021-2023) “攻め”と“挑戦”
攻めと挑戦の姿勢でアクションを加速します。事業環境が依然として不安定な中、危機管理を継続しながら稼ぐ力の再構築、戦略的成長投資を実現し、強いブリヂストンへの変革を推し進めています。
中期事業計画(2021-2023) 2021年第3四半期 進捗 “攻め”と“挑戦”①
各事業についてハイライトをご説明します。稼ぐ力の再構築では、今年から実行フェーズに入っている事業・生産拠点再編を継続的に検討しています。コア事業については、経費・コスト構造改革とプレミアムビジネス戦略を推進し、徹底的にビジネスの質の向上を図っています。
継続した販売Mixの改善、価格マネジメントの強化、加えて原材料・海上運賃などのインフレーションに対応するため、グローバル調達プロジェクトを推進します。原材料第2銘柄の選定、品質を担保した汎用品への切り替え、原産地から工場までの物流ルート効率化など、確実に結果につながる取り組みです。
また、変化する事業環境に対応すべく、フレキシブル・アジャイルマネジメントの強化、グローバル最適視点での新たな生産、ソーシング体制構築の検討を前倒しで進めています。加速するEV化へ対応するタイヤ基盤技術、ENLITENテクノロジーの拡充など、断トツ商品戦略強化も継続しています。
中期事業計画(2021-2023) 2021年第3四半期 進捗 “攻め”と“挑戦”②
成長事業については、戦略的成長投資を引き続き実行します。米国では、デジタルフリートソリューションプロバイダーのAzugaホールディングの買収を完了し、ブリヂストンとのシナジーの創出を進めています。
また、モバイル車両メンテナンスプロバイダーのWrench社へ戦略的出資を行いました。サステナビリティを中核としたアプローチも強化しており、米国で電動・自動運転トラック運送サービスを提供するEinride社との連携や、欧州の交流拠点を基盤としたEV充電サービス網の拡充を図るため、EVBBox社との長期契約を締結しています。
探索事業については、グアユール事業を新たに付け加えました。持続可能な原材料調達・事業化を目指します。戦略実行体制については、9月より拡大Global CFO機能を新設し、ポートフォリオ経営を強化しています。さらに、コアコンピタンスについてDXを推進、イノベーションを加速するためのデジタル人材の育成・獲得に力を入れています。
また今回は、創業より大切にしている、ブリヂストンデザインについてもご紹介したいと思います。これらの主な取り組みについて詳細をご説明します。
稼ぐ力の再構築:生産拠点再編・事業再編
まず稼ぐ力の再構築についてです。生産拠点・事業再現は、中長期的なスパンでタイヤ・内製・多角化事業など、すべての事業で検討を進めています。
稼ぐ力の再構築:多角化事業&内製事業 生産拠点再編・事業再編
2021年ついては、これまでご説明したように、多角化事業を中心に再編を実行します。1月に発表した、米国・屋根材事業の譲渡や、11月1日に発表した、コンベヤベルト事業からの撤退など、シャープにコアコンピタンスが活きる事業にフォーカスすることを軸に、慎重に検討を重ね、取り組みを継続・強化しています。
コア事業:プレミアムビジネス戦略
コア事業であるタイヤ事業については、引き続きプレミアムビジネス戦略に取り組んでいます。第3四半期に入り、半導体不足による新車減産の影響が顕著となりました。特に、当社の販売構成において新車用比率の高い乗用車用高インチタイヤについては、より一層のフレキシブル・アジャイルマネージメントを徹底し、供給を補修用タイヤへ振り替え、販売の強化により影響をミニマイズしています。
第1四半期の補修用タイヤ販売比率が約4割だったのに対し、第3四半期では約5割となりました。第4四半期から来年にかけても、原材料・海上運賃・エネルギー費などのインフレーション、北米での労務費高騰など、モノづくりにおける需要環境の変化が顕在化しています。北米を中心とする強力なフォローの風からアゲンストの風へ変化し潮目と捉えています。
それらに対応すべく、グローバル調達プロジェクトの推進、徹底した販売Mixの改善により、収益への影響をミニマイズします。各地域の地産地消を原則としながらも、日本・アジア圏の工場を増員し、欧米の攻めの販売を短期的にサポートしています。さらに、中長期的にグローバル最適視点での新たな生産フットプリント・ソーシング体制構築の検討を前倒しで進め、攻めの姿勢を強化、強いブリヂストンの基盤の1つとして推進していきます。
コア事業:サステナビリティ・モビリティの進化を見据えた断トツ商品①
断トツ商品戦略強化については、第1世代の環境対応商品「ECOPIA」に次ぐ革新的なタイヤ基盤技術・ENLITENテクノロジーの拡大に努めています。「ENLITEN」とは、軽量化と転がり抵抗の低減、運動性能を両立し、EVの航続距離の延長などに寄与するとともに、資源生産性の向上やサステナビリティでも次元が異なるレベルでの貢献を見込んでいます。また、コモナリティ・モジュラリティと連動し、開発・生産プロセスのイノベーションも推進していきます。
欧州を起点に拡大し、乗用車・小型トラック向けについては2023年から2024年に「ENLITEN」搭載率が大きく伸長します。2030年には、グローバルと補修用の9割以上がENLITENテクノロジーを搭載することを予定しています。トラック・バス向けについても、2030年で約7割の搭載に向け開発を進めています。
コア事業:サステナビリティ・モビリティの進化を見据えた断トツ商品②
ENLITENテクノロジー拡大の起点となる欧州では、EV向けの新車装着を拡大しています。今年、欧州で販売されたEVの人気車種トップ10のうち約半数がブリヂストンタイヤを装着し、欧州の開発拠点では、開発リソースの30パーセント以上をEV向けタイヤに導入しています。補修用タイヤにおいては、2024年には7割、2030年には9割以上、ENLITENテクノロジーが搭載される予定です。足元からEVの普及・カーボンニュートラルなモビリティ社会の実現を支えていきます。
成長事業:ソリューショングローバル展開の加速
成長事業についてご説明します。これまでさまざまなソリューション事業をご紹介してきました。こちらは当社がお客さまに提供している主なソリューションの一覧です。ソリューション事業としては、今後、小売網を基盤としたサービスの拡充に力を入れていきます。また、新たなモビリティソリューションのプログラムとして、デジタルデータをお客さまに提供するサービスを開始しています。今回は小売サービス事業からモバイルバン、小売サービスの拡充とモビリティソリューションからデジタルデータサービスについてご説明します。
成長事業:小売・サービス事業の拡充 ―米国―
小売・サービス事業の拡充の1つとして、米国において、モバイル車両メンテナンスプロバイダーのWrench社に戦略的出資をしました。タイヤを「使う」段階での価値の提供、お客さまに安心・安全を届けるユーザーエクスペリエンスを強化しています。
米国内に2,200拠点を持つ当社の小売網を基盤に、既存のモバイルバンサービスやサブスプリクションパッケージと連携させ、お客さま一人ひとりに合わせたタイヤの使い方をご提案します。これらと車両メンテナンスを含め、よりよくタイヤを使っていただくソリューションを「“コンシェルジュ”スタイル」として、米国からグローバルへも拡充していきます。
成長事業:小売・サービス事業の拡充 ―欧州―
欧州では、EV向け充電ソリューションのリーディングカンパニー、EVBOX社と長期パートナーシップを締結しました。ブリヂストングループの小売網を活用し、EV用充電ネットワークを拡充していきます。小売拠点をベースに、5年間で約3,500の充電スタンドを新設予定です。
さらに、お客さまはこれら当社の拠点と、EVBOX社が提供する13万ヶ所以上の充電スタンドに共通のカード、モバイルアプリを介して簡単にアクセスできるようになり、EVの普及にも貢献する施策です。
サステナビリティ戦略の起点となる欧州市場でのこうした取り組みをグローバルにも共有し、カーボンニュートラルなモビリティ社会の実現に貢献していきたいと考えています。
成長事業:モビリティソリューションの拡充 欧州 ‐デジタルデータサービス‐
モビリティソリューションについては、欧州・ウェブフリートにてデジタルデータサービスを開始しました。先進的な位置情報、および位置情報技術のプラットフォームプロバイダーであるHERE社と提携し、デジタルマーケットプレイスを通じて、ブリヂストンの車両デジタルデータをプライバシーを担保したかたちで提供します。
車両タイプ・走行ルート・燃料データなど、社会・お客さまに提供することにより、スマートシティの構築、よりよい運送オペレーション、安心・安全な運行や効率的な運送によるCO2削減へも貢献していきます。さらに、マーケットプレイスを通じて、より多くのお客さま・パートナーとのタッチポイントを増やし、デジタルを軸とした新たなソリューションビジネス機会の創出や、イノベーションの加速が可能になると考えています。
探索事業:進捗
探索事業の進捗については、リサイクル事業・ソフトロボティクス事業に加えて、グアユール事業を新たに加えました。リサイクル事業については、タイヤをオイル・化学品に戻す技術の探索を推進しています。ソフトロボティクス事業については、ロボットアーム・ロボットハンドの技術をベースに、ビジネスモデルの探索を推進します。グアユール事業は、乾燥地帯で育つ「ゴムを作る植物」グアユールの栽培を通じて、天然ゴム供給源の多様化へ取り組むものです。次のスライドで詳細をご説明します。
探索事業:新たな探索領域 グアユール事業
グアユールは、ゴムの成分を含む、米国南西部からメキシコ北部の乾燥地帯を原産とする植物です。同社は2012年から米国・日本の技術センターを中心に本格的に研究活動を開始し、グアユールを通じて天然ゴムの安定供給につなげる研究を推進しています。
また、生物多様性やサステナブルな原材料調達、新たな緑地の拡大によるCO2吸収増加への寄与といったサステナビリティの観点からも大きく貢献する事業と考えています。米国・アリゾナ州には、自社の研究農園・研究施設を有しており、実用化へ向けた技術の確立、事業化を加速していきます。
探索事業は、オープンイノベーション・共創、共に創るなしでは推進できない事業と位置付けています。グアユールについては、バイオ技術分野でこれまでもさまざまな共創を行ってきました。今後もパートナーのみなさまと協力し、取り組みを進めます。
コアコンピタンス:DXの推進
コアコンピタンスについても、共創ベースとしてデジタルトランスフォーメーションの推進に力を入れています。高度デジタル人材の育成強化するため、東北大学の構内にブリヂストン・東北大学共創ラボを設置し、大学から若手研究者や高度な専門的技術・知見を持つ方々に参画していただき、当社から社員を派遣し、研究テーマの設定やデータを提供します。
2024年までをプロジェクト期間として、延べ40名の人材育成を予定しています。また、Azuga Holdingsの買収が完了し、約300名のデジタル人材が当社の仲間に加わりました。これにより当社グループの高度デジタル人材は約1,200人となり、2023年には1,600人となる見込みです。今後もさまざまな方々との交流を通じてデジタル人材を育成し、新たな仲間との連携も深め、ブリヂストン流のDXを推進し、イノベーションを加速させていきます。
BRIDGESTONE DESIGN
最後にブリヂストンデザインついてご紹介します。スライドのイメージは、月面対応、円を基調に美しく見えるよう作成したイメージです。ビジネスモデル・事業ポートフォリオのみならず、デザインにおいてもタイヤの円、循環のイメージを大切にしていきたいと考えています。
ブリヂストンデザイン
ブリヂストンにおいて、デザインは創業・第2の創業の中でも重要な役割を果たしてきました。特に1984年に行なった新コーポレートアイデンティティ、ブリヂストンロゴ・Bマークの導入は、グローバルを見据えて「限りなき前進ーニューブリヂストン」を信条に行いました。
単なる意匠デザインではなく、会社の体質を「名実ともに新生する」ものと当時位置付けられ、その後のファイアストン買収を契機にしたグローバル化を支えるものになったと思っています。現代の第三の創業・Bridgestone 3.0では、まずは円の美学がキーボードです。サステナブルなソリューションカンパニーの進化をデザインに反映し、円・循環を大切にしています。
こうしたブリヂストンデザインをご紹介する円の美学展示を、東京・京橋のブリヂストンクロスポイントにて12月中旬まで開催しています。お時間のある方はぜひお立ち寄りください。タイヤの機能美をさまざまなビジュアルとともにご紹介しています。また、イノベーションにおいても、テクノロジー・ビジネスモデル・デザインの3軸で推進し、円を基調に機能美を追求するデザインを大切にするとともに、3つの軸の循環によるイノベーションの創出を図ります。
「円の美学」の追求
これらはブリヂストンの円の美学を代表する作品です。タイヤの円・パターンの美しさを追求し、今後も円の美学のデザインを軸とし、サステナブルなソリューションカンパニーへの進化を加速していきます。
「第三の創業」 Bridgestone 3.0 の2年目
以上が第3四半期の進捗となります。本年は創立90周年を迎えるとともに、「第三の創業」Bridgestone 3.0の2年目として、責めと挑戦、実行と結果にこだわる年です。来年に向けても中期事業計画に沿って挑戦を続け、結果にこだわる経営を進めていきたいと考えています。その全体像は、来年2月にご説明する予定です。引き続きご理解、ご支援のほど、よろしくお願いします。ご清聴ありがとうございました。