2035年のコネクテッドカー市場、中国4倍に 欧米も2倍超 日本は数%増
2022年1月7日 08:32
変革の時代を迎えている自動車産業で未来の車を象徴したキーワードがCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリングとサービス、電動化)である。コネクテッドカーとはICT端末としての機能を有する自動車と定義されるが、コネクテッドは自動運転を実現するための前提となる技術でもある。世界の自動車メーカーや部品メーカーは今後コネクテッドカー関連投資を強化して行くと見込まれ、それに合わせコネクテッドカーの販売台数も急増する見込みだ。
12月14日に富士経済が7~11月に行った「コネクテッドカー関連の世界市場調査」の結果レポートを公表している。これによれば、2035年における世界のコネクテッドカー新車販売台数は9480万台と20年比で2.9倍になると予測されている。21年の販売台数は、パンデミックや半導体不足の影響は受けたものの自動車メーカーのコネクテッド関連への取り組み強化を背景に前年比22.2%増の4020万台が見込まれている。市場を牽引しているのは乗用車で、乗用車の新車販売台数に占めるコネクテッドカーの割合は47.0%と半数近くにまでに達しており、35年には86.9%にまで拡大するという予測だ。商用車でも大手メーカーの技術開発や市場投入が進んでおり、35年のコネクテッドカーのシェアは86.4%になると予測されている。
また、中国やアメリカでV2Xの搭載が急増している。V2Xとは自動車間(V2V)や自動車と信号機などのインフラ間(V2I)で通信を行うことで事故を予防する無線通信システムのことだ。DSRCとC-V2X通信に大別されるが、中国自動車メーカーやGMなどがC-V2Xの搭載を進めており、また米国ではDSRCの周波数帯の一部をC-V2Xへ再割り当てすると決定したなどC-V2Xへのシフトが急速に進んでいるようだ。21年の見込みではDSRCが前年比112.5%の45万台に対してC-V2Xは同18.0倍の90万台と大きな伸びを見せている。今後も中国では国家政策により25年には新車の半数以上にC-V2Xが搭載され、30年には標準装備となると見込まれるため、35年のC-V2X搭載新車台数は5730万台、20年比1146倍にまで達すると予測されている。
35年の予測台数を地域別に見ると、北米が2010万台で20年比2.1倍、欧州が2000万台で同2.2倍、中国が2700万台で同4.0倍と急成長するようだ。一方、日本は350万台で同102.9%にとどまっている。(編集担当:久保田雄城)