2022年の景気、個人向けサービスも大幅改善の見込み 不透明感も
2022年1月6日 11:27
新型コロナ感染の流行は8月下旬から収束に向かい、9月末の宣言解除後も低水準で推移し、経済活動は正常化に向かっている。変異株やワクチン効果の低下などの懸念もあり人々の第6波への警戒心は強いものの、今のところ大きなリバウンドの兆候は見えず、来年2022年の景気は正常化の進展の中、飲食店など対個人向けサービス業などでも大幅な改善が見込まれている。一方で、世界的な経済正常化の中、原価の高騰が生じており、またオミクロン株の広がりも相まって先行きに不透明感を感じている事業者も多いようだ。
12月14日、帝国データバンクが「2022年の景気見通しに対する企業の意識調査」(11月下旬調査)の結果レポートを公表している。これによれば、22年の景気見通しについて「回復」局面になると回答している企業の割合は22.3%、前年11月の調査より8.5ポイントの増加となっている。中でも「飲食店」は37.7%で前年比24.7ポイント増、「旅館・ホテル」は32.6%、同17.4ポイント増、「娯楽サービス」29.0%、同15.2ポイント増などの個人向けサービス業で大幅改善の見通しだ。一方、「悪化」見通しは同19.8ポイント減の12.6%と減少しており、来年22年の回復期待は高まっており、中でもコロナ流行の中で営業制限等により業績不振であった個人向けサービス業で大幅改善が見込まれている。
22年の景気に悪影響を及ぼす「懸念材料」を複数回答で聞いた結果では、「原油・素材価格の上昇」が82.5%、前年比75.2ポイントの急増でトップ、次いで「感染症による影響の拡大」39.5%、「人手不足」30.6%、「中国経済」21.7%と続いている。「原油・素材価格の上昇」については「建材・家具、窯業・土石製品製造」で93.9%、「化学品製造」93.8%、「鉄鋼・非鉄・鉱業」91.3%など、やはり製造業で高くなっている。
「景気回復に必要な政策」について複数回答で聞いた結果では、「感染症の収束」が50.3%と依然高くトップとなっているものの前年調査より7.7ポイント減少しており、今回調査で初めて現れた「原材料不足や価格高騰への対策」41.4%が2番目、これに続く「中小企業向け支援策の拡充」39.4%、「個人消費の拡大策」36.1%などが前年調査と比べ上昇傾向で、事業の立て直し支援に関心が集まっているようだ。(編集担当:久保田雄城)