東京海上日動、運送業者向けに「置き配」用保険を販売開始

2021年12月27日 20:45

 コロナ禍で注目されるようになった宅配荷物の「置き配」だが、破損や盗難のリスクを不安視する消費者も多く思うように普及が進んでいない。東京海上日動火災保険(東京都千代田区)は24日、運送事業者向けに「置き配」のオールリスクをカバーする保険の販売を開始した。

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 水濡れや盗難、破損までオールリスクの事故を対象にする。消費者が受け取りを完了するまでの期間を対象としており、置き配中なのか配送中なのか分からない場合もカバーする。紛失は対象外。保障金額は、事業者と個別に定めた1荷物あたりの限度額までの実費とする。尚、盗難が疑われる場合には警察に盗難届を出して、受理番号を取得する必要がある。

 置き配の場所も様々なケースを担保する。専用の置き配ボックスだけでなく、ポストや玄関前、ドアノブや物置、自転車かごまで対応する。保険料に関しては、年間の置き配見込み数に基づいて暫定的に算出し、期末に実際に確定した置き配の個数で精算するという流れ。

 置き配保険は、東京海上日動保険が従来提供している運送保険(ロジスティクスミニ保険)をカスタマイズすることで、開発を行った。今後はさらに、温度管理貨物の置き配保険なども検討していく予定だと言う。

 近年、新型コロナウイルス感染リスクを嫌って、ネット通販の利用が拡大している。それに伴い運送事業者の荷物の量も急増している状態だ。「置き配」によって非接触・非対面受け取りを行うことは感染対策としても望ましいが、盗難などを懸念し、不在時には再配達を希望する消費者が依然として多い。

 また、荷物が破損していた場合、置き配中に起こったのか配送中に起こったのか明らかにすることが困難という問題もある。事故の責任が運送事業者にあるのか、消費者にあるのか不明瞭でトラブル対応の処理が難しかった。

 同社はこうした状況を鑑みて、運送事業者と消費者の安心を担保する置き配の保険を開発した。置き配普及で再配達を抑制すれば、配達時に排出されるCO2の削減につながり、運送事業者の人手不足の解消にも寄与すると考えている。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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