岸田政権の自社株買い規制に警戒!?
2021年12月21日 17:01
●岸田首相が自社株買い規制に言及
14日の衆院予算委員会で、岸田首相は、立憲民主党・落合貴之議員が行なった自社株買い制限に関する質問に対し、自社株買いにガイドラインを設定する可能性に言及。日経平均株価は一時300円以上下落した。
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新しい資本主義を掲げる岸田政権は、またしても「貯蓄から投資へ」の流れに逆行しているという批判の声も多い。画一的な規制には慎重な意見を示したが、マーケットからの不信感が再び強まりかねない。
ソフトバンクGなど、自社株買いで恩恵を受けてきた企業も多いが、一方で不透明な部分が多く、インサイダーにあたるなどの批判もあった。
今後、本格的にガイドライン策定となれば、日本株の投資家離れを起こしかねない。
●自社株買いとは?
自社株買いは、企業が発行した株式を自ら買い取ることで、敵対的買収防止策になり、基本的に株価の上昇要因ともなる。
日本では明治時代から自社株買いは禁止だったが、2001年の商法改正で本格的に解禁された。
自社株買いは株主平等の原則に反するなどの批判もあるが、情報開示していれば問題は無く、会社自体に損害を与えるようなケースは稀である。業績の悪化などのリスクはあるが、結果的に株価が上がることで、株主も従業員も恩恵を受けることができる。
●株式市場に関心の無い首相?
“新しい資本主義”掲げる岸田首相は、就任直後に株価が下落するなど、株式市場からの評判は芳しくない。
自民党総裁選時に金融所得課税の強化に言及し、衆院選前に撤回したが、2023年度の税制大綱で再び検討するとし、株式市場が大きく下落したこともあった。
岸田首相は資産公開で株式を保有していないことから、株式市場に疎い首相という印象も一部でささやかれている。
日本の株式市場は外国人投資家の比率が高く、自社株買い規制のような、時代に逆行している印象を与えてしまうと、日本市場の存在感が益々薄くなる恐れがあるため警戒が必要だ。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)