【株式市場特集】高配当銘柄に注目、個別事情を精査すると最適銘柄が浮上

2021年12月13日 14:54

【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】

 今週の当特集は、高配当銘柄に注目することとした。もちろん配当利回りは、確定利回りではない。足元の今期配当が高配当でも、次期配当が業績次第で減配となるケースだって数多い。インカムゲインが、先行きインカムロス、あるいはキャピタルロスに逆回転する可能性もあり、高配当銘柄の個別事情を精査するのは不可欠だ。高配当利回りランキングの上位にランクされた銘柄からスクリーニングすれば、「指し投」の資産防衛策の最適銘柄が浮上することになる。

■トップ10銘柄から来期の個別事情を精査してスクリーニング

 前週末10日現在の全市場ベースの高配当利回りランキングのトップ10にランクされるのは、配当利回り13.8%で第1位の明和産業<8103>(東1)以下、次の通りとなる。商船三井<9104>(東1)、日本郵船<9101>(東1)、ベリテ<9904>(東2)、乾汽船<9308>(東1)、浅沼組<1852>(東1)、ミズホメディー<4595>(東2)、西松建設<1820>(東1)、NEW ART HOLDINGS<7638>(JQS)、ディア・ライフ<3245>(東1)と続き、第10位のディア・ライフの配当利回り6.40%でも、東証1部全銘柄平均の1.96%を大きく上回る。

 このうち大手海運3社は、コンテナ船貨物の活況・運賃上昇で今3月期業績を3回も上方修正しその度に増配し、株価が、今年9月につけた上場来高値から22%~28%も調整した水準でもみ合っていることが背景となっている。この株価調整は、コンテナ船市況そのものが来年2月の中国で春節(旧正月)でピークアウトすると観測されているためで、高配当継続に疑問符が付いている。しかし米国の物価上昇が、人手不足やサプライチェーン(物流網)混乱を背景にしているだけに長引く可能性もあり、この綱引き動向は要注目である。来2022年3月期配当を382円(今期予想363円)、来々期配当を395円と予想している浅沼組や、「モノいう株主」の出口戦略用の増配とみられている西松建設などのケースもあるが、このほかトップ10位以下となるが上位を占めるメガバンク株、大手商社株も浮上しよう。

■所有期間利回り感覚で権利付き最終日接近の12月期決算銘柄もマーク

 債券投資の所有期間利回り的感覚では、今年12月28日に配当権利付きの最終売買日となる12月期決算会社の高配当銘柄も、ポートフォリオの組み入れ候補株となる。高配当利回りランキングのトップ10は、ミズホメディー<4595>(東2)の6.79%を筆頭にJT<日本たばこ産業、2914>(東1)、ハウスフリーダム<8996>(福Q)、ビー・ピー・カストロール<5015>(東1)、ノーリツ<5943>(東1)、中野冷機<6411>(JQS)、日本エスコン<8892>(東1)、日本和装ホールディングス<2499>(東2)、日本カーボン<5302>(東1)と続き、第10位の住友ゴム<5110>(東1)の配当利回りは4.53%となる。

 このうちミズホメディーは、今期配当の大幅増配を予定しているが、足元ではPCR検査の公的医療保険価格が引き下げられ株価が急落したことがトップ要因となっており、この業績感応度を見極める必要がある。このほかのランキング上位銘柄は、業績上方修正と配当の増配がシンクロしており、高配当継続を期待させる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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