子どもの習い事、詰め込みは百害あって一利なし
2021年12月13日 15:36
筆者が勤める塾の生徒に、週3で塾へ通いながら、英会話・プログラミング・ピアノなど他にもたくさんの習い事をこなす生徒がいる。毎日何かの習い事があるだけでなく、1日に2つの習い事をこなすこともある。恵まれた英才教育のようにも見えるが、その多忙さゆえに塾の宿題を満足にこなせず、残念ながら他の生徒ほどの成果が出せてはいない。子どもの習い事はたくさんやらせておけば良いというものでもないらしい。
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■たくさん詰め込んでも全てが身につくわけではない
習い事には確かにたくさんのメリットがある。学校では身につかない専門的な技能が身につく上に、学校よりも少人数で手厚く見てもらえる。勉強に関しても、家で面倒を見るよりも勉強のプロに任せておいた方が安心できるだろう。
しかし、習い事へ行くだけでは、高度な技術は身につかない。課された課題を丁寧にこなし、高い集中力と緊張感を持ってレッスンに臨んでこそ成果が上げられるものである。多忙で余裕のない中で習い事をさせても、効果が期待できないどころか重大な弊害が出ることもある。
■習い事をさせすぎることによる弊害
習い事が多いと、家でリラックスできる時間が少なくなってしまう。学校から帰りすぐに習い事に出かけて、帰ったらご飯を食べて宿題をして、お風呂に入ったらすぐに寝る時間になる。
自分で自由にできる時間が少ないことは、子どもにとってかなり大きなストレスであり、頑張る気力が湧かなくなるのだ。ひどい場合にはストレスの捌け口として、他の子どもに暴力や暴言を与えるようになることもある。
■教育の軸を決めて取捨選択をしよう
とはいえ、子どもの将来を考えると色々なことを学ばせておきたいと思う人もいるだろう。その時には自分の子育てに関して、ひとつのテーマを決めておくと良い。「確かな自信を持っている人になってほしい」などテーマを決めておくと、それに本当に必要なことは何か選択できるはずである。
教育は何かを与えれば、代わりに何かを失わなければならないものだ。親から与えるものは最小限に留めておいて、自ら考えて学ぶ場を増やしてあげるべきである。(記事:双風サキ・記事一覧を見る)