中外薬、日総工産、ショーケースなど/本日の注目個別銘柄
2021年12月8日 16:16
<4519> 中外薬 3874 +246大幅続伸。EU医薬品規制当局である欧州医薬品庁は、新型コロナウイルスの成人重症患者に対して、同社などが開発しスイスのロシュが販売する関節リウマチ治療薬「トシリズマブ」の使用を承認するよう勧告したと伝わっている。今後はEU欧州委員会が承認する見通しのようで、目先の需要拡大が期待される展開に。また、ジェフリーズ証券が投資判断を「バイ」に格上げ、目標株価を4600円に引き上げたとの観測も。
<6294> オカダアイヨン 1512 +42大幅続伸。岩井コスモ証券が投資判断を「A」、目標株価を2000円で新規にカバレッジ開始。都市が成熟した日本での再開発やインフラ整備で、古くなった構造物を「壊す」需要が大きくなるのは必然で、解体に高い技術力を有する企業として成長力を評価。今期営業益は過去最高を更新することが見込まれるなど業績も好調。安定成長が予想される市場でシェアを確保できることから、今期予想PERで13倍程度の評価は可能と。
<2875> 東洋水産 4710 +55大幅続伸。「マルちゃん」ブランドの生めんや一部冷凍食品を22年4月1日納品分から値上げすると発表。生めん類は希望小売価格ベースで6~13%の値上げとなるもよう。小麦や食用油などの原材料費の高騰、物流費や包材費などの上昇に対応するため。生めんの値上げは3年ぶりのようだ。大きなサプライズは乏しいものの、収益性の維持にはつながるとの見方が先行する形に。
<2695> くら寿司 3680 -45大幅反落。前日に21年10月期の決算を発表。営業損益は27億円の赤字となり、9月の発表数値25億円の赤字に沿った着地に。8-10月期も省力化投資の実施などで17億円の赤字となった。22年10月期は28億円の黒字に転じる見通しとしているが、市場コンセンサスの70億円程度の黒字を大きく下回っている。保守的な計画数値とは捉えられているが、緩慢な回復見通しを嫌気する動きが優勢に。
<3179> シュッピン 1092 +39大幅続伸。前日に11月の月次動向を発表している。売上高は前年同月比31.7%増で10カ月連続のプラス成長、6月以来の高い伸びとなっている。EC売上高も同18.3%増となり、2カ月ぶりのプラス転換に。EC、店舗。免税ともに今年度最高の売上高を更新しているもよう。とりわけ、EC売上高は前月に13カ月ぶりのマイナスに転じ、モメンタムの悪化が警戒されていただけに、安心感が高まる状況となっているようだ。
<6569> 日総工産 901 +40大幅続伸。SBI証券では投資判断を新規に「買い」、目標株価を1300円としており、本日の物色材料につながっているようだ。遅れている自動車分野の挽回生産開始と半導体・電子デバイスの生産拡大継続で在籍数と稼働が増加すること、中期経営計画の拡大戦略のエンジニア転換・育成の進捗が順調であることなどを評価。23年3月期営業利益は前期比73.9%増の44億円までの拡大を見込んでいる。
<6920> レーザーテック 30630 +680大幅続伸。東京エレク、ルネサス、アドバンテなど主力の半導体関連が総じて買い優勢の展開になっている。前日の米国市場ではSOX指数が約5%の大幅上昇、一時は4000ポイントの大台に乗せており、国内関連銘柄にも買いが波及する展開になっているようだ。米半導体関連は早期利上げへの警戒感などで足元上値が抑えられていたが、目先の警戒感は一旦織り込まれたとの見方にも。
<3909> ショーケース 556 +24大幅続伸。KDDIエボルバとパートナー連携を開始したと発表。同社が提供するあらゆるユーザーインターフェースを SaaS として実現するプラットフォーム「おもてなし Suite」シリーズと、eKYCをはじめとしたオンラインセキュリティソリューション「ProTech シリーズ」の販売代理店連携を12月より開始している。同社製品の販売拡大につながるものとして期待視する動きが優勢になったようだ。
<8801> 三井不 2443 -93.5大幅反落。本日は不動産セクターが業種別下落率のトップに。政府・与党では住宅ローン減税の見直しの大枠を固めたと報じられた。ローン残高の1%を所得税などから差し引く現行の控除率を0.7%に縮小するもようだ。減税率縮小によるマンション需要への影響を警戒する動きが優勢に。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、戸建分譲住宅より、価格帯が高い分譲マンションや注文住宅への影響が相対的に大きいとしている。《ST》