豊田通商、当期利益は過去最高を予想 “代替不可能・唯一無二”の存在としての価値を創造する事業展開
2021年12月7日 08:01
目次
森山長栄氏(以下、森山):豊田通商財務部IR室の森山でございます。本日は当社のオンライン会社説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。本日は、「豊田通商について」「成長戦略」、最後に「安定性」についてご説明します。
豊田通商株式会社 (証券コード8015) 2021年3月末時点
当社の社名は豊田通商株式会社ですが、略して「豊通」と呼ばれています。1948年設立の総合商社です。主要株主はトヨタ自動車の21.69パーセントを筆頭に、トヨタグループで約35パーセントの株式を保有いただいています。
連結の従業員数は約6万4,000人で、約120ヶ国に拠点があり、連結関係会社数は国内で158社、海外で852社とグローバルに事業を展開しています。スライドの左側に記載しているとおり、利益規模は、当期利益が1,346億円で、株式時価総額が約1.6兆円、1株当たり配当金は112円で11期連続の増配を実施しています。
当社がどのような会社なのか、何をしているのかイメージをつかんでいただくため、約5分の動画をご覧いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
豊田通商らしさの実践
ご視聴どうもありがとうございました。イメージがつきましたでしょうか? ご覧いただいた動画を踏まえて、当社の成長戦略について、私からもう少しご説明を加えます。
成長戦略を説明するにあたり、まずは「豊通らしさの実践」についてお話しします。スライド下部に記載しているとおり、当社はトヨタグループ、また商社としてのDNAをベースに、グローバルカンパニーへと成長していき、その過程で3つの豊通らしさを培ってきました。
1つ目は、スライドの左側に記載しているとおり、「トヨタグループの一員としての『らしさ』」です。こちらは、日々「カイゼン」活動を繰り返すことにより、トヨタ生産方式で得たノウハウを自社や出資先の企業でも活用し、育んできたネットワークや事業体運営の知見を活かしつつ、トヨタグループのプレゼンスと収益の向上に貢献しています。
2つ目は、「成長の過程で身に付けた『らしさ』」です。トヨタグループをはじめ、お客さまやパートナーが海外進出する際、モノ作りに専念できるように、現地のサプライチェーンの立ち上げなど「縁の下の力持ち」としての役割を果たすことや、「知恵を出す、汗をかく」という基本姿勢のもと、海外での事業経営などのノウハウを磨いてきました。
3つ目は、「グローバルカンパニーを目指し身に付けた『らしさ』」です。映像でもご覧いただいたとおり、合併により自動車以外の分野への事業拡大や、アフリカで事業領域と展開地域を広げてきたことや、パートナーの特徴や文化を尊重し多様性を取り入れることで、自己の強みも向上させてきました。
このような豊通らしさを戦略策定や事業展開に活かし、さらに実践することで、他社との差別化を図り、当社ならではの価値を創造し続けています。
事業上のリスクと機会
外部環境に少し視点を移します。当社は、グローバルに事業活動を行っており、メガトレンドや地球環境、社会の変化に影響を受けています。こちらは事業上のリスクとなる一方、スライド右側に記載しているとおり、解決することで成長につながる機会にもなります。
築き上げてきた競争優位性
それぞれの分野で当社が築き上げてきた競争優位性について、ご説明します。1つ目は、自動車産業の環境変化における競争優位性です。自動車産業は100年に1度といわれる構造変化の真っ只中です。このような環境の中で、当社は自動車ビジネスのネットワークと知見を活かして研究開発を進めてきています。また、車載の分野における世界最大のエレクトロニクス商社を擁しています。
2つ目は、気候変動の影響拡大です。当社は1986年に再生可能エネルギー事業の第一歩を踏み出し、現在は国内最大の規模を誇っています。また、太陽光、水力、バイオマスなどの他の発電メニューも拡充しています。
3つ目は、新興国の発展です。アフリカでの当社の事業開始は古く、戦略的なM&Aにより堅固な基盤を築いており、自動車販売、医薬品の生産卸、消費財の生産や大型ショッピングモールの運営、発電プロジェクトなど幅広い展開を行っています。
4つ目は、リサイクル機運の高まりです。当社は自動車のライフサイクルの過程で発生する鉄や廃液、バッテリー、レアメタルなど多様な廃棄物の再利用を発展させてきました。海外も含めたグループネットワークにより、使用済み自動車のリサイクル率は100パーセント近くまで高めています。
サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)における成長戦略
当社グループはこのような強みを発揮し、先ほどお伝えした4つの社会課題と成長を支える土台となる2つの課題を、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)に選んでいます。スライド上部に記載している4点は、現在みなさまに公表している中期経営計画の重点分野とリンクさせています。
豊田通商ならではの価値創造
こちらのスライドは、これまでの説明をまとめたものです。当社ならではの価値をグローバル化とデジタル変革に対応しながら、お客さまや社会に提供し続けていくことで、パートナー・ステークホルダーにとって“代替不可能・唯一無二”の存在である「Be the Right ONE」を追求し実現していきます。
リチウム開発事業
4つの成長戦略の具体的な取り組みについて、ご説明します。まず、ネクストモビリティ戦略として、次世代の車である電気自動車の電池に必要な、リチウムをご紹介します。当社はパートナーのOrocobre Limitedとともに、2014年にアルゼンチンのオラロス塩湖で電池材料の原料となる炭酸リチウムの生産を開始しました。今後増えていくであろう需要に応え、生産を現在の2.5倍に引き上げる計画を立てています。
また、炭酸リチウムを原料とした国内初の水酸化リチウム製造専門会社として、豊通リチウムを2018年に福島県に設立しました。こちらは、2022年の生産開始に向けて着実に準備を進め、電気自動車に欠かすことができないリチウムの安定供給に貢献していきます。
高速道路でのトラックの後続車無人隊列走行
経済産業省と国土交通省から受託している「トラックの隊列走行の社会実装に向けた実証」の一環として、新東名高速道路の遠州森町パーキングエリアから浜松サービスエリアまでの約15キロメートルにおいて、後続車の運転席を実際に無人とした状態での、トラックの後続車無人隊列走行を実現しました。
こちらは3台の大型トラックが時速80キロメートルで車間距離を約9メートルの車群を組んで走行するもので、無人状態での車間距離維持や先頭車の追随を可能とするものです。
スライド右側に記載のとおり、今後はレベル4まで高め、さらには後続車の自立走行や市街地での隊列走行等にも取り組んでいく予定です。
再生可能エネルギー事業の強化
再生可能エネルギー戦略についてです。当社は、日本最大級の再生可能エネルギー事業会社であるユーラスエナジーホールディングスを子会社に保有しています。同社を核に、風力発電を中心とした再生可能エネルギー事業を展開しています。国内では北海道から鹿児島県に至るまで、16道府県37箇所に事業を展開しています。
スライド右側の図のとおり、直近では発電だけではなく、北海道北部地域においては送電線を建設することで、不安定な風力の電力に蓄電池システムを組み合わせ、さらなる電力の安定供給に貢献することにも取り組んでいます。
競争力ある電力事業者として進出国・事業の拡大
国内だけではなく海外でも事業を展開しています。スライド左側に記載のとおり、エジプトの風力発電事業では、同国で初のIPP事業を展開しました。
一方、スライド右側に記載のとおり、初の海外水力発電事業はベトナムで展開しています。今後も競争力あるクリーンな電力事業者として、風力だけではなく、太陽光、水力、地熱、それからバイオマス発電事業などの地域に応じた提案を行い、進出国や事業領域の一層の拡大を目指していきます。
世界発電量地図
ご参考に、当社グループが展開する再生可能エネルギー発電量の地図をご紹介します。30年以上前の1987年に、アメリカのカリフォルニア州で風力発電事業を開始し、2004年には1,000メガワットを突破しました。2011年には2,000メガワットになり、2021年3月には3,420メガワットまで発電量を増加させています。
アフリカのポテンシャル
アフリカ戦略です。アフリカの成長性についてご説明する前に、スライド左側の一番上から世界、アジア、アフリカの順で、人口予想をグラフ化して記載しています。
ご覧のとおり、アフリカの2020年の人口は約13億人、30年後の2050年には約25億人になると予想しています。これは世界人口の4分の1を占めることになります。
一方、スライド右側のピラミッドでは、そのアフリカの中間所得層が増加することを示しています。GDPの成長とともにインフラ整備の需要、産業振興、雇用創出が見込まれています。
アフリカでのモビリティ事業
まずは、アフリカでのモビリティ、自動車事業をご紹介します。アフリカは全部で54ヶ国あります。当社はそのすべての国にネットワークを保有しており、当社グループ全従業員の約3分の1、2万2,000名がアフリカでの事業に従事しています。
主力の自動車販売においては、トヨタ車をはじめ50以上のブランドを取り扱っており、加えて、中古車の取り扱いやアフターサービスにも力を入れています。
アフリカでのKD(ノックダウン)事業の推進
販売やサービスを展開するだけではなく、現地で自動車を生産し乗ってもらう、いわゆる「地産地乗」を目指す、組み立て生産展開国を拡大しています。最近では、ガーナで組み立て生産を開始しました。
アフリカでのヘルスケア事業・リテール事業
次に、ヘルスケア・リテール事業です。当社はアフリカ最大級の医薬品卸のネットワークを構築しています。アフリカで24ヶ国、約7,000ヶ所の薬局・病院に2万3,600種類もの医薬品を毎日配送しています。スライド左側の写真の上部に丸く写していますが、Zipline社のドローンを使った配送も行っています。
また、スライド右側の写真は、Carrefour社との提携によるショッピングモールの写真です。展開する店舗数を今後3年間で2.5倍に増やし、消費ニーズや雇用創出に貢献していきます。
動脈事業とは? 静脈事業とは?
最後に、循環型静脈事業戦略です。ご紹介の前に、動脈事業、静脈事業の当社の定義についてご説明します。スライド上部のとおり、消費のために素材を調達、生産、販売することを動脈事業、スライド下部のように消費済みの素材を再利用するために、回収、処理し、リサイクル原料として製造元へ還元することを、静脈事業と呼んでいます。
当社では動脈事業だけではなく、静脈事業も行っています。特に、従来破棄されていた製品や原材料などを新たな資源と捉え、再び循環させていく、循環型の静脈事業に取り組んできました。
従来からの循環型静脈事業の取り組み
スライドで細かく示していますが、左から2番目のとおり、当社グループでは1970年代からELV、いわゆる使用済み自動車の車両の回収と解体、部材や部品の適正処理により再資源化する処理をはじめ、自動車管理を中心に、さまざまな循環型静脈事業に取り組んできています。
プラスチック資源循環
また、これらのノウハウ・知見を活かして、自動車モビリティ以外にも取り組みを広げています。スライド左側のとおり、来年2022年に廃PETボトルの再資源化事業の稼働を予定しています。年間で、PETボトル20億本相当の処理を計画しています。
スライド右側の使用済みプラスチックの再資源化事業も、同じく2022年に稼働を予定しています。こちらは年間で車80万台相当の処理を計画しています。
カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み
当グループのサステナビリティ重要課題の1つに「脱炭素」を掲げています。ここでは、全社をあげて推進している、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みについてご説明します。
当社は、脱炭素社会への移行に貢献するため、あらゆるソリューションを提供し、顧客、事業パートナーを支え、よりよい未来へ先導していきます。具体的なミッションとして「未来の子供たちにより良い地球環境を」を掲げ、リーディング・サーキュラーエコノミー・プロバイダーとなることをビジョンに、サステナブルな社会の実現を牽引していきます。
既存事業においては、温室効果ガス排出量を削減する取り組みを進め、それと反比例するように、リーディング・サーキュラーエコノミー・プロバイダーとして、循環型事業を拡大することで、カーボンニュートラルを実現していきます。
カーボンニュートラル宣言 ~自社グループ、取引先のGHG削減に注力~
2030年までに、基準年である2019年の温室効果ガスの排出量約80万トンを半分にし、その先の2050年までに実質、カーボンニュートラルの状態を達成します。
戦略マップと5つのワーキンググループ①
カーボンニュートラル達成に向けた当社の戦略です。スライド左上から時計回りに、「エネルギーを作る」「エネルギーを集める・整える」「モノを作る」「モノを選ぶ」「モノを使う」「廃棄物処理する」「再利用する」という産業ライフサイクルを通して、私たちの強みを発揮しながら循環型経済を支える事業に携わっていきます。
戦略マップと5つのワーキンググループ②
産業ライフサイクルの強みを持つ5つの領域に分け、成長戦略の立案と実行を行う、事業本部を超えた、ワーキンググループを立ち上げました。それぞれのワーキンググループでは、さまざまな取り組みや事業創出に挑戦していきます。ここで、それぞれのワーキンググループの具体的な取り組みを映像で簡単にご紹介します。
このような取り組みを実施しながらカーボンニュートラルを目指し、2030年までに1.6兆円以上の投資を実行していきます。
業績の推移
最後に当社の「安定性」について触れたいと思います。今期の当期利益は過去最高益の1,900億円を予定しています。本年10月の当初予想では1,500億円と公表していましたが、400億円上方修正しています。
キャッシュフローの推移
キャッシュフローについてです。確実に稼いだキャッシュで投資を行ってきた結果、ネットDER、いわゆる借入金は減少してきており、配当後のフリーキャッシュフローもプラスとなり、健全な財務体質を維持し、強固にしてきています。
安定的な増配
株主還元です。配当に関しては、11期連続で増配を実施してきました。今年は年間1株あたり140円で、12期連続の増配を予定しています。
外部格付機関の評価
外部格付機関による評価です。ご覧のとおり、同業他社と比べても安定的であると思います。表の右端列の格付け機関、R&Iについては、本年10月に格上げしました。
2010年3月末以降の当社株価終値推移
株価についてです。スライドのグラフでは、10年前の2010年3月末を100として、以降2021年10月末までの日経平均、当社株価、他商社株価それぞれの推移を示しています。なお、当社株価は青色の折れ線グラフ、日経平均は黄色の折れ線グラフでお示ししています。複数あるグレーの折れ線グラフは他商社です。比較すると概ね株価の伸びが大きく、特に最近はそれが顕著な差となっています。
また、スライド右側に記載しているのは、主な機関投資家が予測している当社の目標株価です。補足資料については、これ以降のページをご覧ください。
最後に今後も継続的により良い説明会を目指し、実施していきたく、みなさまにはアンケートのご協力をお願いしたいと思います。ご面倒ながらどうぞよろしくお願いいたします。
質疑応答:新型コロナウイルス変異株のアフリカでの事業活動への影響について
質問1:奇しくも新型コロナウイルスの変異株が南アフリカで発生しましたが、御社のアフリカでの活動に影響はありますか?
森山:新型コロナウイルスのオミクロン株についてその報道を聞き、南アフリカの拠点に、現地の状況などを聞いてきました。まずは入手した南アフリカの情報を共有します。
南アフリカでは、新型コロナウイルスの感染が拡大していると報告を受けています。11月28日時点での南アフリカの全感染者数は約290万人でした。人口が5,900万人のため、感染率は5パーセントくらい、先週から1万4,000人ほど増加しています。1日の平均感染者数は約2,000人で、先週から1,800人ほど増えています。また、感染者は南アフリカ最大都市ヨハネスブルグがある、ハウテン州というところに集中していると聞いています。
現状の感染拡大が続けば、来週から12月初旬にかけて、南アフリカでは第4波に突入するという情報も得ています。また、ワクチン接種率は24パーセントで、日本や欧米の国々に比べても低い接種率となっているようです。したがって、感染の拡大は必至と見てとれます。
オミクロン株の実態については、どのようなもので、感染拡大もどうなるのかまだわからないところがあり、危機感をもって注視しています。
経済の停滞により当社の業績についても若干下がる懸念がありますが、それ以上に人命や安全に重きを置き、行動や対応をしていきます。
質疑応答:半導体の逼迫による影響と今後について
質問2:半導体の供給不足影響はいかがでしょうか? また、現在の逼迫している状況はいつまで続くと想定されていますか?
森山:半導体については、みなさまからよくご質問をいただきます。新型コロナウイルスからの回復によって顧客の需要は旺盛となったものの、メーカー側の工場稼働制限による減産の動きにより、半導体の供給が追いついていない状態が続いたため、逼迫していると捉えています。
半導体といっても、車載向けや民生などさまざまな半導体がありますが、特に供給が逼迫しているのは汎用性の高い民生であると認識しており、今後も不透明な状況が続くと考えています。
当社では、半導体メーカーと連携しつつ、顧客の生産割当を交渉しながら、業績に与える影響を最小限にとどめられるように努力しています。半導体の逼迫状況については当初、第2四半期、この秋頃には収束するのではないかと見ていましたが、もう少しかかると見ています。おそらく、この年末から来年春くらいにかけては、まだ逼迫した状況が続くのではないかと予想しています。
質疑応答:アフリカ市場の開拓余地とリスクについて
質問3:アフリカ市場の開拓余地とリスクについて教えてください。
森山:アフリカについては、当社が大きなプレゼンスを持っていると自負し、展開してきています。アフリカの多くの国が発展途上国のため諸制度も整っていないなど、そのような意味ではリスクも大変高く、リスクと隣り合わせでのビジネスが今後も続いていくと思っています。
また、発展途上国ということは、これから次々に発展していく国が多くあり、国の発展に寄与するビジネスにしっかり取り組んでいきたいと考えています。
質疑応答:リチウム価格の変動影響について
質問4:リチウム価格の変動が貴社の業績に与える影響はどの程度でしょうか?
森山:当社は、石油、石炭系の資源分野から撤退していますが、リチウムはネクストモビリティ戦略の中の、新しい車の電池となる材料で、アルゼンチンのオラロス塩湖で生産することに携わっています。
リチウム市況は、2年前までは低迷していましたが、昨今需要が増加、市況が回復基調になり、これにより当社の利益にも繋がります。
市況価格もそうですが、12ページに記載のとおり、生産量を2.5倍に引き上げる予定もしています。生産量を上げつつ価格が上昇することも、当社の利益に貢献するかたちになり、しっかりと事業を伸ばしていきたいと考えています。
質疑応答:素材のリサイクルについて
質問5:素材のリサイクルへの取り組みについて、商社としての役割をどのようにお考えですか? 金属、ガラス、プラスチック、紙の他にどのような素材のリサイクルが今後増えますか?
森山:当社は、40年以上前から自動車に関する循環型の静脈事業に取り組んできました。自動車で培ってきたノウハウや知見を活かすことにより、プラスチック関連の資源循環の事業を立ち上げ、携わっています。
26ページに記載のとおり、幅広い商社機能を活かし、その他の素材のリサイクルとして廃PETボトルや使用済みのプラスチックの再現化事業に取り組んでいます。いずれも稼働は2022年になり、しっかり準備を進めています。
プラスチック以外のリサイクルも、現在仕込みをしている最中であり、順次事業化できれば、またご紹介できると思います。
質疑応答:CFAO社について
質問6:CFAOとのビジネスの今後の広がりについて教えてください。
森山:CFAO社は当社のグループ会社、アフリカ戦略の中にあり、アフリカ本部そのものです。19ページに記載のとおり、アフリカはポテンシャルが高く、これから産業が進行し、雇用創出が見込まれるということもあります。その発展に伴い、自動車販売、サービス、組み立てを中心に自動車事業を進めることに加えて、自動車以外のリテールやヘルスケアのような事業を伸ばすことにより、アフリカの発展に貢献していきたいと考えています。
森山氏からのご挨拶
本日説明した内容以外も、当社ホームページでは決算説明会や個人投資家説明会など多くの資料を掲載しています。本日の説明会を通して当社に興味を持っていただけたら、ぜひホームページにもアクセスしていただきたいと思います。多くの質問をいただいたのに、すべてに答えることができず大変申し訳ございません。
ご覧いただき、誠にありがとうございました。今後とも豊田通商をどうぞよろしくお願いいたします。
説明会後にいただいたご質問への回答
時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。
質問7:日本でのEV普及について、どのように予測されているか教えてほしい。
EV普及は進んでいくと見ております。当社は自動車ビジネスのネットワークと知見を活かしてEV普及へしっかり対応していきます。
質問8:アフリカでは中国勢が強力なライバルではありませんか?
中国や新興国などが、ライバル、競争相手ではありますが、当社のアフリカ戦略は異なった目線で事業を取り組んでいます。他社や他の国々ではインフラ事業などが多いと認識していますが、当社は自動車ビジネスを中心に医薬品、消費財、テクノロジーのように多種多様です。自動車では”地産地乗”という現地でものを仕入れ、製造、販売するという事業も取り組んでいます。今後の事業の掛け合わせにより面展開をしていきたいと考え、”WITH AFRICA FOR AFRICA”の理念のもと、アフリカの人々と一緒にアフリカの経済の発展や暮らしの向上に長期目線で貢献したい、これが他社や他の国々との違いであり、当社の強みだと考えています。
質問9:再生可能エネルギーのノウハウに詳しいという自負はございますか? そのノウハウをどう活かしていきたいですか?
当社の再生可能エネルギーは30年以上前から取り組んでおります。従いそのノウハウの蓄積や知見が当社の強みだと考えています。これらの強みを活かし、今後も競争力あるクリーンな電力事業者として、風力だけではなく、太陽光、水力、地熱、それからバイオマス発電事業などの地域に応じた提案を行い、グローバルに進出国や事業領域の一層の拡大を目指していきます。
質問10:足元では1ドル115円台前半まで円安が進行しており想定レートより円安となっています。この影響について教えてください。
決算タイミングにより異なり、理論上の数値ですが、USDが1円円安に動くと当社の当期利益ベースで約プラス2億円の影響があります。また、あくまで目安ですが、理論上、全ての通貨が1USDに対して1円と同程度動いた場合、当社の当期利益ベースで約プラス8億円の影響があります。
質問11:1単元50万円を超えてきましたが、分割をして投資単位を下げることは検討されませんか?
貴重なご意見として承りました。今後の検討課題としたいと思います。
質問12:インドの廃車政策においてマルチ・スズキと協業し、車輌の解体・リサイクルを始められました。このような取り組みは、今後、中国などにも水平展開できるのではないかと思うのですが、他国でも同様の取り組みを視野に入れられているのでしょうか?
車両の解体・リサイクルの取り組みに関してはすでに中国でも取り組んでおります。当社では、自動車や部品の製造・加工過程で発生するスクラップから廃車時に出る資材のリサイクルまで、自動車のライフサイクルを通じたリサイクル事業を行っています。北米、欧州や中国、南アフリカなどで加工スクラップを回収して加工処理を行うグリーンメタルズ事業を展開。2000年以降の自動車メーカーの海外進出に合わせて、同社を中心に世界中で資源リサイクル事業を行っています。
質問13:アフリカ諸国は開発途上にある有望な市場として注目するのみではありません。社会インフラ整備に御社はどう関わり貢献して行きますか?
アフリカ本部では自動車の他、電力・インフラ分野で、再生可能エネルギー(風力・太陽光・地熱など)事業、港湾開発事業を中心に、アフリカ各国のポテンシャルとパートナー企業の強みを生かしたプロジェクト開発を進めています。経済発展に不可欠なエネルギー・インフラ整備を通じてアフリカに貢献していきます。
質問14:御社のアフリカ事業の中でも中古車販売が注目される中、中古車販売事業はどのような構想をお持ちですか?
アフリカの車市場は新車より中古車市場が大きいと認識しており、当社はすでに認定中古車の販売事業を、20ヶ国で展開、今後はさらに展開国を増やしていく予定です。
質問15:現場主義が貴社の特徴となっている背景と、現場主義によってもたらされる優位性について教えてください。
当社のビジネスは「現地・現物・現実」を信条としています。人と会って初めて分かること、現場に立ってその場の空気に触れて実際に目で見なければ、分かりづらいことはたくさんあります。今後のニューノーマルの中で「Be the Right ONE」を追求し、お客さまから選ばれる価値をあくまで現場に寄り添い愚直に追及し続けたいと考えております。
※質疑応答は企業提供の文章となります。