JTB、教育機関向けに「CO2ゼロ旅行プログラム」 学習とカーボンオフをセット

2021年12月4日 08:15

 JTB(東京都品川区)は2日、教育機関向けに「CO2ゼロ旅行プログラム」の販売を開始した。グリーン電力の購入でCO2をオフセットする仕組みと、学習をセットにしたもの。初年度で10万人の利用を目指すと言う。脱炭素の機運が高まる中、移動の多い旅行でもCO2削減ができる商品を企画した。

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 修学旅行や校外学習などでの利用を見込んでいる。旅行前にSDGsのワークショップを実施。事前学習で社会課題を学ぶ。旅行中はCO2の発生を最大限押さえ、それでも発生したCO2に関しては、グリーン電力を購入する。旅行代金に追加して、太陽光や風力、バイオマス発電などのグリーン電力の購入費用を支払うことによって相殺する仕組みだ。

 JTBはこれまでにもエコツアーブランドの旅行商品を中心に、CO2ゼロ旅行の販売を行ってきた。2007年からスタートしており、累計約1万8000人が参加し、カーボンオフセットの仕組みを通してCO2を447トン削減してきた。

 教育機関向けの新商品はこうしたCO2削減の仕組みに、学習教材やワークショップを加えたものだ。SDGsを教室で学んだ後に、自分事として旅行で体感できるようにした。

 気候変動の影響で自然災害が世界中で頻発している。脱炭素が急がれているが、CO2の排出量の1割を占めるのが観光分野だ。それを受けて、COP26では観光に関する気候変動対策「グラスゴー宣言」が立ち上げられた。宣言では、2030年までに排出ガスを半減、2050年までには実質ゼロを達成することが求められている。

 JTBでも、旅行で間接的に排出することになる排出ガスを削減することが喫緊の課題と捉えており、「サスティナブルな旅行」を提案する。

 尚、教育機関向けの「CO2旅行プログラム」では、予算に応じてプランを選択できる。例えば東京から京都に100名で2泊3日した場合、CO2をオフセットするためにかかる費用は100%オフなら単価760円。10%オフなら単価280円となる。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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