ダスキン、「ミスタードーナツ」の上振れ等で通期業績予想を上方修正 コロナ禍前の実績を上回る見通し
2021年11月18日 17:28
連結業績ハイライト
山村輝治氏(以下、山村)みなさま、こんにちは。社長の山村でございます。現在はコロナ禍のため、今回もオンライン形式で決算説明会を開催します。それでは、2022年3月期第2四半期決算、ならびに下期の取り組みについてご説明します。
まず、売上高から順にご説明していきます。連結業績ハイライトのスライドをご覧ください。2022年3月期第2四半期の連結売上高は802億1,300万円となりました。前年同期と比較するとプラス61億5,300万円で、8.3パーセントの増加です。前々期と比べても、10億5,600万円で、1.3パーセントの増加となっています。
売上高の状況(2)
すべてのセグメントが増収となったため、連結売上高も増収となりました。
営業利益の状況(2)
営業利益などの各利益については、増収に伴う売上総利益の増加を主な要因とし、大幅な増益となりました。連結営業利益は63億4,600万円、前年同期比でプラス123.7パーセントの35億900万円増加となりました。また、前々期と比べると、プラス71.6パーセントの26億4,800万円増加となっています。
経常利益の状況(2)
連結経常利益は75億400万円、前年同期比でプラス89.4パーセントの35億4,100万円増加となりました。
四半期(当期)純利益の状況(2)
親会社株主に帰属する四半期純利益は51億7,500万円で、前年同期比でプラス271.4パーセントの37億8,100万円増加となりました。また、前々期と比べると営業利益は26億4,800万円で、71.6パーセントの増加となり、四半期純利益はプラス85.9パーセントの23億9,100万円増加となっています。
連結貸借対照表の状況
連結貸借対照表です。連結総資産は、前期末から46億4,700万円の増加となり、1,930億4,600万円となりました。連結純資産は、前期末から52億7,000万円の増加し、1,511億700万円となりました。純資産が増加した主な要因としては、利益計上と、配当金の支払い、「従業員持株会信託ESOP」導入に伴う自己株式処分など、この差額である利益剰余金の40億2,900万円の増加があります。
訪販グループ(1)
主力の訪販グループについて、セグメント間の内部を含む売上高は541億8,100万円で、前年同期と比較してプラス3.6パーセントの18億8,700万円増加となりました。利益面についても、増収に伴う売上総利益の増加を主因として、前年同期比でプラス21パーセントの11億2,000万円増加となり、営業利益64億6,500万円となっています。
訪販グループ(2)
家庭向けサービスの状況についてです。家庭向けダストコントロール商品に関して、当期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響は限定的で、前期末に実施した販売促進活動の効果はあったものの、依然として解約件数が新規件数を上回っており、モップレンタルの売上が減少しているため、厳しい状況が続いています。
一方、家庭向けのケアサービス事業については、すべての事業でお客さま売上高が増加し、全体で14.1パーセントの増加となっています。特に、エアコンクリーニングが順調に売上を伸ばしており、当期も18.2パーセント増加しています。また、介護用品のレンタルを行うヘルスレント事業も、コロナ禍において順調に売上を伸ばしています。
訪販グループ(3)
事業所向けサービスについてです。抗菌、抗ウイルス性能を有する「吸塵・吸水マット」の売上が増加するなど、衛生マット関連の売上が順調に推移しています。主力商品であるマットのレンタルは増加したものの、前期はコロナ禍による特需の反動減により、アルコール除菌剤や手指消毒剤などの衛生関連商品や空気清浄機本体の売上が大きく減少しました。
一方、事業所向けのケアサービス事業は、こちらもすべての事業でお客さま売上高が増加しており、中でもサービスマスターにおける除菌と衛生をパックにしたサービスが順調に推移し、お客さま売上高が8.1パーセントの増加となっています。
前期においてコロナ禍の影響を最も受け、大きく減収となったレントオール事業については、ワクチン接種会場などの「イベント衛生サービス」の受注が好調となり、大幅な増収となりました。
訪販グループ(4)
訪販グループの営業利益です。売上増加に伴う売上総利益への影響が大きく、前年同期比でプラス21パーセントの11億2,000万円増加し、64億6,500万円となりました。原価については、レンタル品の商品投入の減少や、前期において原価率の高い除菌剤や空気清浄機の売上が比較的増加したことで原価率を押し上げましたが、当期はその反動減で売上が減少しました。そのため、原価率が下がったことも増益要因となりました。
経費に関しては、賞与引当金繰入額や雑給などが増加し、人件費が約3億円増加しています。ただ、コスト削減に努めた結果、一般管理費として2億円の減少となっています。
フードグループ(1)
フードグループについてご説明します。フードグループの売上高は199億1,500万円で、前年同期比でプラス24.9パーセントの39億7,300万円増加となりました。
フードグループ(2)
主力のミスタードーナツは、前年下半期以降の好調を維持し、テイクアウトの売上増加が牽引するかたちで、全店合計お客さま売上高はプラス26.2パーセントと大きく増加しました。
商品では、最高水準の素材と技術を持つブランドとの共同開発「misdo meets」が引き続き好調に推移したことに加え、6月に発売した「むぎゅっとドーナツ」は、軽食としても利用いただけるドーナツとして開発し、売上増加に寄与しました。また、一時休店の影響があった前年同期と比較すると、稼働日数が約3パーセント増加しています。
フードグループ(3)
フードグループの営業利益については、前年同期比で19億8,300万円の増加となり、17億5,100万円となりました。売上の大幅増による粗利の増加に加え、前年における衛生対策として、カフェテリア形式全店舗のショーケースを扉付きにする費用が今期は発生しないことや、原価率が改善していることなどにより、大幅な増加となりました。
今期期首より収益認識基準の適用に伴い、電子マネーの利用分の売上を計上していますが、同時に経費にも電子マネー手数料として同額が計上されています。
その他・全社
その他の売上高は、前年同期比でプラス3.3パーセントの2億4,600万円増加となり、76億8,800万円となりました。海外連結子会社のダスキン上海とビッグアップルは増収となりましたが、ダスキン香港は、前期に発生した当社向けのマスク販売がないことより売上が減少し、海外事業全体では減収となりました。
一方、このセグメントに属する国内連結子会社のダスキンヘルスケアは、オリンピックの選手村の清掃サービスを獲得したことにより増収となり、ダスキン共益もリース車両の自動ブレーキ付車両への入れ替えが進んだ結果、増収となりました。
営業利益については、国内連結子会社の増収による粗利増加により、その他全体では前年同期比でプラス100.1パーセントの2億6,900万円増加し、5億3,800万円となりました。
全社・消去については、人件費の減少により前年同期よりトータルで経費が減少しています。
その他(海外)
海外の事業をそれぞれ事業別に見ると、訪販関連事業については、お客さま売上高は現地通貨ベースにおいて、すべて増加しています。ミスタードーナツ事業については、同じく現地通貨ベースでの、お客さま売上高が台湾、タイで減少しましたが、フィリピン、インドネシアは増加しました。また、ビッグアップルも増加となりました。
2022年3月期第2四半期累計 公表予想との比較
当社は2021年8月4日に公表した業績予想について、2021年10月28日に修正し公表しています。第2四半期の実績を8月4日の業績予想と比較すると、売上高は、訪販グループにおいて、ワクチン接種会場など「イベント衛生サービス」の受注が好調に推移したものの、前期のコロナ禍によって特需となった衛生関連商品、空気清浄機本体の売上が減少したことで下振れとなりました。
フードグループにおいては、主力のミスタードーナツが、テイクアウト需要の増加により好調を維持したことで引き続き大きく上振れており、全体でも12億円の上振れとなりました。営業利益についても、売上の上振れによる粗利の上振れや販売促進費の使用時期の変更などにより、こちらも大きく上振れる結果となりました。
2022年3月期 通期業績予想(1)
通期業績予想です。フードグループの売上が計画に対して大きく上振れたことを主因に、通期業績予想を修正し、売上および利益の各段階で前期を上回り、コロナ禍前の前々期と比較しても上回る見通しです。
2022年3月期 通期業績予想(2)
スライドには前年同期比の下半期セグメント別の売上、利益予想をお示ししています。下半期は、コロナ禍について現在の状況がおおむね続くと予想し、訪販グループにおいては「衛生環境を整えるダスキン」の定着を一層図るために、上半期使用予定だった経費の一部を削減し、下半期に販売促進費用として使用する計画です。
また、フードグループにおいては、引き続き好調なミスタードーナツにおいて、「misdo ネットオーダー」の認知度向上など、お客さまの利便性の向上に取り組み、テイクアウト需要をさらに取り込むことに注力していきます。
これらの結果、下半期は前年同期と比較して売上は0.7パーセントの増加、営業利益は13.2パーセントの増加となる見込みです。
2022年3月期 通期業績予想(3)
上半期、下半期対比の下半期セグメント別の売上、利益予想をお示ししています。
1株当たり配当額・配当性向推移
配当についてです。10月28日における業績予想の修正に伴い、中間配当は30円、期末配当が43円、年間合計で73円とする予定です。
中期経営方針期間について
ここからは経営課題に対する取り組みについてご説明します。
当初は、当2022年3月期を開始初年度とする新たな中期経営方針を策定・公表し、すでにスタートを切っている予定でしたが、前期から当期にかけては、新型コロナウイルス感染症拡大により影響を受けたフランチャイズチェーンの売上回復を重点的に努めたことや、今後の経営戦略への影響を見極めるために、未だ新たな中期経営方針は公表していない状況です。
今般、当社は当期を新型コロナウイルス感染症拡大の動向などを見極める準備期間と規定し、新中期経営方針の期間を、2023年3月期から2025年3月期の3年間とすることとしました。
新中期経営方針については、その骨子および数値目標などを2022年2月に公表する予定です。
経営課題に対する取り組み
2022年2月に公表する中期経営方針は、4つのテーマを軸に策定します。
既存事業の発展においては、事業ポートフォリオの適正化とバリューチェーンの強化への取り組みとして、ポートフォリオ分析・検討による事業の選択と集中を図ります。DX戦略の推進による情報と流通の改革や、市場環境や顧客ニーズの変化へ対応した新商品、新サービスによる事業の領域の拡大と収益性の向上を進めていきます。
新しい成長機会への投資においては、将来性を見越した新たな価値創造にむけた成長戦略への取り組みとして、M&A、ベンチャー企業への投資による成長戦略を実践していきます。
構造改革と経営基盤の構築については、「既存事業の発展」と「新しい成長機会への投資」のための基盤強化として、最適な組織・業務体制の構築と効率化を進めます。
社会との共生においては、今期6月に策定した、2030年度までの環境経営における目標「ダスキン環境目標2030(DUSKIN Green Target 2030)」の達成に向け、更なる企業価値の向上と持続可能な社会の実現に貢献する企業を目指していきます。
訪販グループの取り組み(1)
訪販グループでは、「衛生領域」「ワークライフマネジメント領域」「高齢者サポート領域」の3つの領域を展開しています。
新型コロナウイルス感染症拡大により、消費者の衛生意識や、生活者の暮らし方と働き方は大きく変化しました。これを受け、「衛生領域」を最重要領域と位置づけ、力を入れて展開しています。
衛生領域に加え、重要領域である「ワークライフマネジメント領域」は、仕事と暮らしの充実に意識の高い「共働き世帯」を対象に、時間の創出と充実価値を提供すべく、商品・サービス開発に注力しています。また、高齢者サポート領域は、仕事・趣味などに意欲的で、健康意識が高いアクティブシニアを新たな対象とした商品・サービス開発に注力していきます。
訪販グループの取り組み(2)
衛生領域の中心商品であるモップやクロスは、衛生機能性の向上を積極的に進めています。
ホコリを包み込んで、長く保持する働きのある吸着剤を加工している家庭用・事業所用商品は、一般社団法人繊維評価技術協議会が認証する「抗ウイルス加工」「抗菌防臭加工」のSEKマークを22商品で取得しました。
今後も、衛生商品の中心であるモップ・マットの第三者機関による衛生機能のエビデンス取得を積極的に行い、社会の衛生ニーズに応えていきたいと思います。
商品だけではなく、人々が集まる施設での衛生管理にも注力しています。東京2020オリンピック・パラリンピックでは、選手村でダスキンスタッフ約270名が24時間交代勤務でエリア内を巡回し、清掃や備品の除菌を行いました。
また、日常の衛生的な清掃が求められていることから、7月より新サービスとして、クリニックや介護施設などを中心に、ドアノブやトイレなど不特定多数が触れる表面の除菌・抗菌施工、床の除菌清掃などを料金定額で承る「サニタイム」を全国導入し、日々の清掃を従業員で担っている事業所の負担を軽減し、衛生的な環境づくりのサポートを行っています。
訪販グループの取り組み(3)
様々な会場の衛生管理を、商品・サービス・ノウハウによるワンストップで提供するイベント衛生サービスも積極的に提案しました。その中で、ワクチン接種会場でも、検温設備・飛沫対策パネル・消毒剤・衛生マットなどの設置および巡回衛生サービスを展開し、現時点で、ワクチン接種会場などで876件のご契約をいただき、お客さま売上高は45億円となっています。
今後も、生活者の暮らしや店舗・施設・イベント会場などでの衛生意識は継続することが予測されることから、積極的なご提案を継続していきます。
エアコンクリーニングサービスも、在宅の長時間化・衛生意識の高まりで、需要が大きく高まっており、特に家庭市場においては、お客さま売上16.3パーセントの成長となっています。
また、オプションサービスの抗菌コートサービスも、クリーニング利用者の20パーセントが利用するなど、高い衛生意識は継続していくと考えます。
訪販グループの取り組み(4)
商品においては、新型コロナウイルス感染症拡大による空間衛生への関心の高まりにより、空間清浄機「クリア空感」の定期的に交換するフィルターの前期売上が1.4倍に増加しました。
このような空間衛生意識の高まりに、より一層お応えできるように、抗菌・ウイルス抑制効果のある薬剤を加工した、「菌・ウイルス対応集塵フィルター」を導入しました。
また、仕事、家事、育児などに日々追われている人たちに、精神的、肉体的、時間的に負担の少ない掃除ができる掃除道具を提供することをコンセプトに開発したレンタルモップ商品・ダスキン「MuKu」が、2021年度グッドデザイン賞を受賞しました。掃除道具をリビングルームに常時設置することを想定し、お部屋になじむようデザインしました。
フードグループの取り組み(1)
フードグループの中心事業であるミスタードーナツにおいては、「いいことあるぞ Mister Donut」の実現を目指し、お客さまの期待と信頼に応え続けられるように、新マーケットの獲得、基礎売上高の維持・向上、楽しさ・おいしさの提供に取り組みます。
フードグループの取り組み(2)
これまで以上に、ミスタードーナツをご利用しやすいよう、すでに導入済の「misdoネットオーダー」に、予約注文機能を追加します。これにより、福袋やクリスマスセットなどの期間限定商品も事前にご予約いただけるようになります。
また、商品の注文、決済後に受取時間を指定いただくことで、非接触で商品の受取も可能なピックアップドアの店頭設置を試験的に開始しました。これにより待ち時間なく商品を受け取ることが可能となります。
フードグループの取り組み(3)
店舗出店においては、お客さまの利便性向上を目指し、「郊外ドライブスルー店舗の出店」を加速します。あわせて、ロードサイド店でありながら店舗投資を抑えて、ドライブスルーの設備がある小型店の開発を試験的に行い、ロードサイド店を利用するお客さまのニーズに細かく対応できる店舗開発を目指しています。
空白商圏である、都市部においては、これまで出店できなかった狭小物件に対応したキッチンレスの店舗、キッチンレスのテイクアウト専門店など多様な店舗パッケージを検討中です。
フードグループの取り組み(4)
このキッチンレス店舗を可能とするための、ドーナツ製造機能だけを持つ「マスターコントロールキッチン」については、現在大阪にて検証中です。
さらに、この「マスターコントロールキッチン」においては、より多くの店舗に配送できるように、十分なドーナツ製造量に対応した自動フライヤーなど製造機器の開発・研究を進めています。このことにより、さらに、お客さまに近いところへ今後も出店を進めていきます。
フードグループの取り組み(5)
商品においては、基礎売上高の維持・向上を目指した、新定番ドーナツの育成やミスドゴハンの強化、定番商品のブラッシュアップを実施していきます。
楽しさ・おいしさを追求し、「misdo meets(ミスド ミーツ)」の展開、季節定番商品の展開、デザートドリンクの展開、協業・コラボ企画の展開などを行っていきます。
ESG・SDGsへの積極的な取り組み(1)
最後に、CSV、ESGの取り組みについてご説明します。取り巻く環境が大きく変化する中においても、事業を通じて経済・社会・環境の課題解決に取り組むCSV、つまり共通価値の創造を推進し、経済価値、社会価値、環境価値を相互に実現するためのガバナンスを強化することで企業価値の向上を目指しています。
ESG・SDGsへの積極的な取り組み(2)
企業としての成長と持続可能な社会の実現に貢献するため、「ダスキン環境目標2030(DUSKIN Green Target 2030)」を6月24日に策定しました。
ダスキン環境目標2030では、循環型社会づくりに向けて、フード事業における食品ロス量の削減目標やダスキングループおよび加盟店・協栄工場で使用している化石資源由来プラスチックの削減、容器包装プラスチックのリサイクル率を向上させる目標を新たに設定しました。
また、脱炭素社会の実現に向けて、2030年度までに再生可能エネルギーの利用比率目標を50パーセントに設定するとともに、ダスキングループ拠点におけるCO2排出削減目標を2013年度比で26パーセントから46パーセントに引き上げます。
今後も、創業者の願いである「道と経済の合一」を実現するべく、事業を通して社会のお役に立つSDGsの目標達成に貢献する取り組みを掲げ、さらなる企業価値の向上と持続可能な社会の実現に貢献する企業を目指します。
以上で、私からの説明を終了させていただきます。ありがとうございました。
質疑応答:訪販グループの売上構成比について
質問者1:訪販グループとフードグループにわけておうかがいします。まず、訪販グループについて、衛生領域を注力するという方針を以前から掲げられており、前期と比較して、今回の上期に関してはどのくらいの比率に上がっているのか、金額、実額でもかまいませんので教えてください。また、今日ご説明いただいた中でいくと、金額的にどのようなところで特に恩恵が大きかったのかも教えていただければと思います。
大久保裕行氏(以下、大久保):経営企画部を担当している大久保でございます。前期の実績では、衛生関連商品の構成比は約11.6パーセントでした。当期に関しては、第2四半期までで約32パーセントとなっており、関連商品の売上は3倍ほどになっています。
先ほど少しご説明しましたが、特に最も顕著な事業はクリーンサービスです。マット・モップに関する、除菌、抗菌、抗ウイルス加工を積極的に進めた結果、前期との比較になりますが、構成比は11.7パーセントが34パーセントにまで顕著に伸びています。
その次でいくと、サービスマスター事業になります。これも先ほど少しご説明したとおり、抗菌サービスなどによって、構成比は4.1パーセントから9.5パーセントにまで伸びています。
山村:補足すると、衛生関連商品に注力するため加盟店にも告知しましたが、事業所においては、加盟店の営業担当もそれを強く意識しており、吸塵・吸水マット、あるいは衛生関連商品をお客さまにおすすめすることで、営業活動が非常に実施しやすくなったという声を聞いています。
ただ、つい最近まで制限があった飲食業の時間短縮などにより、売上がもっと拡大するはずが少し伸び悩んだ部分もあると思います。一方で、家庭用に対しても同じように告知していますが、当社のお客さま担当までは認識がまだしっかりと普及していないため、お客さまが使われているモップに衛生関連の商品が付加されたことは伝わっていない状況です。そのため、家庭用が少しマイナスになっています。
今後は、当社の商品に第三者機関で認証されたことを、お客さまにしっかりと伝えていくことを進めていきたいと思っています。
質疑応答:ネットオーダーの注文比率と郊外ドライブスルー店舗の手ごたえについて
質問者1:2点目に、フードグループに関してです。ネットオーダーの注文比率はどれくらいなのかを教えてください。また、デリバリーの比率も教えてください。
また、44ページに記載の「郊外ドライブスルー店舗」の手応えについても詳細に教えてください。
山村:ネットオーダーとデリバリーの比率については、後ほど大久保からご説明します。
郊外ドライブスルー店舗は、今現在、大阪、京都、鹿児島の3店で展開しています。大阪が出店して約1年近く経ちますが、全体の売上の約30パーセントがドライブスルー売上になっています。予想していたよりも、各店舗ともドライブスルーでお買い上げされる方が多くなっています。
デリバリーは、現在、出前館さまと提携して推進しています。全国展開ではありませんが、特に都心部を中心に比率は高くなっています。その数字に関しては大久保からご説明します。
大久保:私から数字についてご説明します。まず、ネットオーダー、9月は4月と比較すると約2.4倍、1日あたりの平均売上は約50万円と、まだまだこれからという状況です。認知度の向上を含めて取り組んでいきたいと考えています。
一方、出前館さまとの提携については、都心部中心であり、店舗もまだ200店弱です。売上もまだまだで、構成比も非常に低くなっています。今後は、こちらもネットオーダーと併せて認知向上に取り組み、お客さまの利便性を高めていきたいと考えています。以上です。
山村:ネットオーダーについて補足しますと、ミスタードーナツは全国で約950店舗ありますが、1ヶ月ほど前までは、だいたい250店舗がネットオーダーを導入していました。
ネットオーダーは従来、当日のネットオーダーで当日にしか購入できない仕組みでした。ところが、11月5日からは3日ほど前から予約ができるシステムに変更しました。
それにより、現在では700店強がネットオーダーの導入を進めていますので、今後はネットオーダーやドライブスルー、出前館さまの協力によるデリバリーがだんだん増えてくるのではないかと予測しています。
特に今までのオペレーションが急速に変わるわけではないため、加盟店からも、「このようなお客さま対応を積極的に進めていきたい」という声をいただいています。
山村氏からのご挨拶
みなさま、今日はどうもありがとうございました。私の背景に「DUSKIN 喜びのタネをまこう」という全社ロゴを映しています。実は同じロゴを訪販グループでも50数年続けていました。
今年の4月1日にこの「喜びのタネをまこう」から、訪販グループのロゴを「衛生環境を整える」としました。今後はお掃除道具ではなくて、いかにお客さまの衛生環境を整えるかに注力すべく、加盟店ともようやく、その意思疎通ができたという段階です。
本社としては、今後は商品・サービスに関して、除菌や抗菌を主にした商品展開をしていきます。「お掃除のダスキン」という今までのイメージから、「衛生のダスキン」へと、一日でも早くお客さまの認知を高めていきたいと思っています。
一方、ミスタードーナツは、今から6年前まで実施してきた100円セールをやめて、その後数年、非常に厳しい状況が続きました。しかし、先ほどご説明したとおり、現在展開中のピカチュウドーナツ(株式会社ポケモンさま)のような各企業とのコラボなど、話題性がある商品を展開することによって、本来のミスタードーナツとしての商品付加価値を高めていきます。
加えて、今回はコロナ禍において厳しい状況でした。しかし、実はコロナ禍だったからこそ、カフェテリアショーケースのすべてにアクリル板の扉を付けることや、ドライブスルーや持ち帰り、ネット予約などを急速に展開できたのではないかと思っています。両事業とも、これからもお客さまの声に真摯に耳を傾けて、事業を進めていきたいと思っています。
また、本日の説明でも触れましたが、新たな中期経営方針を来年2月に発表します。その際に、第3四半期の決算説明会も同時に行う予定です。今回と同じZoomウェビナーでの開催を予定していますので、ぜひご参加いただければと思っています。本日はどうもありがとうございました。