丸文、AI搭載型介護支援ロボットのデモルーム開設

2021年11月13日 08:30

 エレクトロニクス商社の丸文(東京都中央区)は11日、AI搭載型介護支援ロボットのデモルームをオープンした。実際にロボットを見て、細かな所作や学習能力を確認することができる。人手不足の課題を抱える業界に向けて、ロボットを用いたソリューション提供に力を入れる。

【こちらも】パナソニックとポラリス、要介護者の自立をリゾート地で支援 IoTとAI活用

 デモルームは病院の居室や介護施設、共有スペースやエレベーターを模してつくっており、ロボットが働くイメージを分かりやすくした。スライドドアの開閉や姿勢探知などを行いながら、各部屋の巡視を行う様子や、大小様々な場所を除菌する姿などをデモで見ることができる。

 同社はアメリカのロボットメーカー「Aeolus Robotics Corporation」の「アイオロス・ロボット」を取り扱っている。人間の脳や手、目に相当する機能を持ち、人工知能を搭載した自律走行できる人型ロボットだ。学習した内容はクラウドで他のロボットと共有することもできる。複数の作業や、人間に近しい作業ができることが特徴となっている。

 例えばマスクをしていたり服装が変わっても、人物を特定したり、人間の姿勢から「倒れている」ことを検知するなどができる。事前に登録しておけば、物体の認識も可能。薬の取り間違え防止などに活用できる。登録可能な数は10万個にも及ぶ。

 また、CVCライトを搭載しており、医療・介護現場のみならず、オフィスやショッピングモールなどあらゆる施設の除菌をすることができる。人ではなくロボットに除菌作業をさせることで、消毒者の感染リスクを低減する。作業漏れの回避や人件費削減にもつながる。

 丸文は、深刻な人手不足を抱えている医療や介護業界を中心に導入を進めていきたい考えだ。中長期的には、ホテルなど大型施設での使用や警備なども対象にしていく。

 これまでアイオロス・ロボットの紹介に動画や資料を用いていたが、詳しい機能や学習能力、細かい動きなどを体感してもらえないという課題があった。それを解消すべく、デモルームを開設し、実際にロボットが作業する様子を見てもらうことにした。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

関連記事

最新記事