ハインツ、火星の土壌模した環境で栽培のトマトでトマトケチャップ作成
2021年11月12日 08:23
headless 曰く、 フロリダ工科大学オルドリン宇宙研究所の研究チームが火星の土壌を模した環境でトマトを栽培し、そのトマトを用いてハインツがトマトケチャップ「Marz Edition」のプロトタイプを作成した(Florida Tech News の記事、 ハインツ UK の特設ページ、 H.J. Heinz & Co. のツイート、 動画)。
栽培実験は2年にわたり、パームベイの同大先端製造・革新デザインセンターに設置された温室「Red House」で行われた。Red House は火星で植物を栽培しようとする人類が直面する条件を再現すべく設計されており、明かりは LED のみ。火星の土壌と共通する特徴を数多く備えるモハベ砂漠の土およそ 3.5 トンを模擬土として用いるほか、厳格な温度管理と定期的な灌漑が行われるという。
研究チームは初めに 2,000 時間以上かけて 30 株を栽培するパイロット版の実験を行い、その後 450 株のトマトを個別の鉢で栽培した。その過程でハインツが持つ大量の種子カタログから 4 種の候補を選び出し、そのうち 2 種がより大きな規模での栽培に成功したとのこと。
Marz Edition の「Marz」は火星 (Mars) の「s」をハインツ (Heinz) らしく「z」に置き換えたものだ。プロトタイプはハインツが今週公開したが、味見は社内のごく一部でのみ行われる。それは一人の人間にとっては小さな一口だが、人類にとっては偉大な一歩になるとのことだ。