【株式市場特集】舶用エンジン株と舶用機器株など海運周辺株をマーク
2021年11月2日 12:36
【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】
今回の特集は、舶用エンジン株と舶用機器株、さらにコンテナ船荷動きの活発化、運賃急騰で業績が上ぶれ方向にある海上輸送系のフォワーダー株を含めた海運周辺株をマークしてみたい。
■新造船発注活発化で上方修正が相次ぎ舶用機器株の受注・受注残高も拡大
舶用エンジン株のジャパンエンジンコーポレーション<6016>(東2)は業績も好調で、抑制されていたコンテナ船やばら積み船の発注が活発化し、採算性重視の受注活動を進め、環境規制対応の周辺機器の販売増加などから今3月期第1四半期の純利益が、前年同期比3.4倍とV字回復して着地しており、11月4日発表予定の今期第2四半期業績の動向が注目される。
同じ舶用エンジン株で今3月期業績を上方修正したのは、ダイハツディーゼル<6023>(東2)で、今3月期第1四半期純利益が黒字転換したあと、10月22日に今3月期業績を上方修正し、純利益は前期比2.1倍増と見込んでいる。また阪神内燃機工業<6018>(東1)も、今3月期第1四半期純利益が黒字転換しており、有価証券売却益で今3月期第1四半期業績が、小幅黒字転換と水面上に浮上した赤阪鉄工所<6022>(東2)とともに、今期第2四半期業績は要マークとなる。
舶用機器株で業績を上方修正したのは古野電気<6814>(東1)で、今2月期純利益は期初の減益転換予想が増益となり、年間配当も40円に増配した。東京計器<7721>(東1)は、今3月期第1四半期純利益が連続赤字となり、寺崎電機産業<6637>(JQS)も、今3月期第1四半期純利益が大幅減益となったが、第1四半期の受注高、受注残高はいすれも2ケタ増となった。KYB<7242>(東1)は、今3月期第1四半期純利益が、免震・制震ダンパーの不正関連の引当金が大幅減となったことなどで黒字転換して着地しており、11月5日発表予定の今期第2四半期決算がクローズアップされる。
■海上輸送系フォワーダー株はコンテナ船の荷動き増・運賃高騰をフル享受
コンテナ船のコンテナ・スペースを販売する海上輸送系フォワーダー株にも、業績の上方修正組が目立つ。コンテナ船荷動きの活発化、運賃高騰で単価と取扱量が拡大していることが寄与しているもので、内外トランスライン<9384>(東1)は、今12月期業績を第2四半期業績を含めて期中に3回も上方修正し、配当も増配しており、前週末29日の取引時間中に発表した今期第3四半期業績が、高利益進捗して着地したことで一時124円高と窓を開けて急伸した。エーアイティー<9381>(東1)も、今2月期業績を上方修正するとともに増配も予定している。このほか大運<9363>(東2)、トレーディア<9365>(東2)、大東港運<9367>(JQS)は、今3月期第1四半期の純利益が黒字転換して今3月期通期予想業績対比で高利益進捗率となっており、今後発表予定の第2四半期決算への注目度がアップする。
このほかコンテナ船貨物ではないが、石炭輸送の拡大で今3月期第2四半期業績を上方修正した桜島埠頭<4825>(東2)や、船舶向けに海洋気象情報を提供し、今5月期第2四半期業績を上方修正したウェザーニューズ<4825>(東1)も、周辺銘柄として「五分勝ち」銘柄にノミネートされよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)