百貨店とSCの9月売上、2カ月連続でマイナスも一部には回復傾向

2021年10月28日 15:29

 日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が9月度の売上高を発表、新型コロナの影響でどちらも2カ月連続で前年同月比マイナスとなったものの、一部には回復傾向も見られた。

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■前々年比もマイナス幅が拡大

 25日、日本百貨店協会が2021年9月度の全国百貨店売上高概況を発表。売上高は前年同月比(店舗数調整後)4.3%減の3,188億2,137万6,000円となり、2カ月連続でマイナス。新型コロナウイルスの影響がない前々年比は36.4%減となり、8月の同32.1%減から2.3ポイント拡大(悪化)した。

 商品別では、ラグジュアリーブランドや時計、宝飾品などの高額品、物産展等食品催事のほか、和洋菓子や弁当、総菜、和洋酒が好調。一方で、葉物野菜の高騰などがあった生鮮食品やビジネス関連の衣料品が厳しかった。また直近の動きとして、おせち料理の受注がECを中心に好調な滑り出しなど、中旬以降で一部回復傾向も見られたという。

■東京と中部がプラスに

 都市別では10都市中9都市がマイナス。特に札幌(前年同月比:10.3%減、以下同じ)、仙台(12.2%減)、広島(15.8%減)が2桁のマイナス。横浜(2.8%減)、神戸(1.9%減)、福岡(2.1%減)で落ち込みが小さめだった。東京のみが同0.7%増とプラスだった。都市以外の地区では中部のみが同5.7%増とプラス。中国が同11.5%減と唯一2桁割合のマイナスだった。

 商品別売上高では美術・宝飾・貴金属(1.0%増)、菓子(0.9%増)、総菜(3.5%増)の3分野でプラス。反対に子供服・洋品(15.7%減)、その他雑貨(10.1%減)、家電(11.9%減)、その他家庭用品(15.1%減)、食堂・喫茶(24.5%減)、その他(14.3%減)で大きく落ち込んだ。

■ショッピングセンターも2カ月連続でマイナス

 同日、日本ショッピングセンター協会が2021年9月度のSC販売統計調査報告を発表した。売上高は前年同月比9.0%減の3,963億6,934万7,000円となり、百貨店同様に2カ月連続でマイナスだった。ただし8月の同11.6%減から2.6ポイント(減少)改善しており、消費マインドの改善に伴う売上の回復傾向があったという。

 業種別では中食需要を中心とした食料品、テイクアウトやデリバリを実施しているファーストフードが堅調。一方、ファーストフードを除いた飲食やファッション、サービスが厳しかった。

■全ての大都市と地域で前年同月比マイナス

 売上のうち、テナントが前年同月比10.5%減の3,143億7,631万4,000円。キーテナントが同3.0%減の819億9,303万3,000円となり、どちらも全体同様に2カ月連続でマイナス。

 大都市やその他の地域は全てマイナス。特に札幌市(前年同月比:18.2%減、以下同じ)、仙台市(13.8%減)、大阪市(19.6%減)、広島市(14.5%減)、福岡市(15.6%減)、北海道(15.6%減)、東北(13.8%減)、中部(11.8%減)、北陸(11.6%減)、中国(15.3%減)と多くの都市や地域で2桁のマイナス。東京区部(4.7%減)、関東(6.5%減)、四国(6.8%減)などで比較的落ち込みが小さかった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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