【注目銘柄】エランは2Q上ぶれ着地業績を見直して下げ過ぎ修正に期待
2021年10月21日 09:06
【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】
エラン<6099>(東1)は、19日に37円高の1249円と急反発、20日は1272円まで上げて三角保ち合いに煮詰まり感を強めている。同社株は、今年11月11日に今2021年12月期第3四半期(2021年1月~9月期、3Q)決算の発表を予定しており、今年8月12日に発表した今2021年12月期第2四半期(2021年1月~6月期、2Q)累計業績が、今年5月13日に開示した上方修正値を上ぶれ連続増収増益率を伸ばして着地したことを見直し業績期待を強め下げ過ぎ修正買いが再燃した。新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言は全面解除されたが、同社の主力商品の「CS(ケア・サービス)セット」の未導入病院から感染予防のために導入の検討が始まっているとみられ、業績再上ぶれ材料として注目されている。
■CSセットの新規導入施設数が拡大し月間利用者数も続伸
「CSセット」は、「手ぶらで入院」、「手ぶらで退院」をセールストークに入院生活に不可欠な病衣、タオル、身の回り品を安価に提供するサービスで、今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大でも入院患者の家族が面会できないケースがほとんどだったことから病院、介護施設での導入が進んだ。2Q末の契約施設数は、新規契約147件、解約件数41件の純増106件で1720施設と拡大、このうち病院契約数(50床以上)は1135施設、老健・介護医療施設(同)は272施設となり、月間利用者数は、昨年12月末比1万9945名増の30万3500人と続伸した。
このため今期2Q累計業績は、前年同期比25.1%増収、42.4%営業増益、42.7%経常増益、43.8%純益増益で着地し、利益は5月の上方修正値を1億円~5600万円上回った。今12月期通期業績も、今年5月に上方修正され売り上げ310億円(前期比19.0%増)、営業利益25億円(同17.3%増)、純利益16億8000万円(同16.2%増)と見込まれ、純利益は連続して過去最高を更新する。ただ今期下半期については、緊急事態宣言の解除などで営業活動が正常化するため営業費用が増加するなどやや慎重にみており、「CSセット」の新規導入動向や3Q決算次第では2Q累計業績と同様に上ぶれ期待も高まってくる。
■相次ぐ株式分割で割安感は乏しいがなお理論価格を200円超幅下回る
株価は、昨年12月末に株式分割(1株を2株に分割)の権利を3020円で落とし、コロナ関連人気で分割権利落ち高値1736円へ買われる場面もあったが、今期業績の続伸予想や今年5月の業績上方修正もなお市場コンセンサスを下回るとして全般相場の軟調推移とともに分割権利落ち後安値1028円まで売られ、2Q上ぶれ業績着地で1365円へリバウンド、足元では1200円台での三角保ち合いを続けてきた。2015年、2017年、2018年、2020年と立て続けに株式分割を実施した影響で割安感は乏しいが、分割権利落ち理論価格をなお200円超幅下回るなど下げ過ぎを示唆している。三角保ち合いを上放れ、理論価格1510円奪回から落ち後高値1736円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)