【注目銘柄】川口化学は3Q高利益進捗業績と期末配当増配を見直して下値抵抗感

2021年10月18日 07:49

【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】

■S市場上場を目指すと表明

 川口化学工業<4361>(東2)は、下ヒゲでは上向きの75日移動平均線を確認して下値抵抗感も示し、売られ過ぎ訂正買いが交錯している。今年10月4日に開示した今2021年11月期第3四半期(2020年12月~2021年5月期、3Q)業績が、今年5月に再上方修正された今11月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示し、期末配当を増配したことを見直し手掛かりとなっている。来年4月にスタートする東証の市場区分変更に関して、スタンダード(S)市場の上場基準に一部不適合となったが、それでもS市場上場を目指すと表明したことも、株高政策に拍車がかかるとして思惑材料視されている。

■タイヤ用薬品がV字回復し3Qの利益進捗率は98~99%

 同社の今11月期3Q業績は、売り上げ57億6300万円(前年同期比20.7%増)、営業利益3億4600万円(同6.62倍)、経常利益3億4800万円(同7.58倍)、純利益2億5900万円(同7.68倍)とV字回復して着地した。化学薬品工業事業で、半導体不足で世界的に自動車生産が減少するなか3Qまでは影響が及ばずタイヤ用薬品の売り上げが前年同期比32.8%増と急回復したことなどから売り上げが同20.8%増、セグメント利益が3億2300万円(前年同期は2900万円)とV字回復したことなどが要因となった。

 一方、今11月期通期業績は、今年4月、10月と2回上方修正され売り上げ75億5000万円(前期比15.4%増)、営業利益3億5000万円(同33.2%増)、経常利益3億5000万円(同32.2%増)、純利益2億6000万円(同33.8%増)と見込まれ、純利益は、過去最高の1億7900万円(2017年11月期)を4年ぶりに大幅更新する。3Q業績は、この通期予想業績をほぼクリアする98%~99%の利益進捗率を示しており、期末に掛けて再々上方修正の可能性も高まる。期末配当も増配し、年間50円(前期実績30円)への大幅増配を予定している。なお市場区分再編ではS市場の上場基準に対して流通株式時価総額が不適合となっており、適合計画書を作成・提出して経過措置としてのS市場上場を目指すとしており、株高政策の積極化も想定される。

■インカムゲイン狙いから値幅効果も期待でき最高値奪回へ

 株価は、今年5月の今期業績の2回目の上方修正でストップ高して1665円高値まで買い進まれ、8月末の全般急落相場のなかで1206円安値へ突っ込み、9月の全般急騰相場のなか上場来高値1805円まで買い直されたが、3Q決算発表時に11月期通期業績予想を据え置きとしたことで1481円まで再調整、1500円台固めを続けてきた。PERは6倍台、PBRは0.91倍と割安で、配当利回りは、3.36%と東証2部配当利回りランキングの第60位にランクインするだけにインカムゲイン狙いから値幅効果も期待でき、上場来高値奪回に動こう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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