世界PC出荷台数、2021年第3四半期は伸びが大幅に鈍化

2021年10月16日 08:38

headless 曰く、 Gartner が 11 日に発表した 2021 年第 3 四半期の PC 出荷台数推計値によると、COVID-19 パンデミックによる出荷台数の伸びが大幅に鈍ったようだ (プレスリリース)。

第 3 四半期の PC 出荷台数推計値は 8,415 万台。Gartner は本四半期から PC 出荷台数の推計に Chromebook を加えたため、以前のデータと比較すると 1,000 万台以上増加しているが、Chromebook を含めたデータでは 86 万台増 (1.0 % 増) にとどまる。

Gartner はこれについて、COVID-19 ワクチンのより広範な接種が可能になり、世界中で多くの学校が教室での授業を再開する中、自宅学習のための PC や Chromebook に対する差し迫った必要性はなくなったとみる。その結果、Chromebook の出荷台数は前年同四半期から 17 % 減少しており、2011 年に市場投入されて以来最大の減少幅になったとのこと。ビジネス PC は主要地域での経済回復とオフィスでの業務再開により引き続き需要を維持しているものの、半導体部品の不足が続いてノート PC の出荷が制約される中、デスクトップ PC 中心の出荷となっているという。

ベンダー別にみると上位 6 ベンダーの順位は変わらないものの、3 位の Dell が 319 万台増 (26.5 % 増) の 1,524 万台と大幅に増加する一方で、2 位の HP は 109 万台減 (5.8 % 減)の 1,762 万台となっている。1 位の Lenovo は 34 万台増 (1.8 % 増) の 1,995 万台、4 位の Apple は 50 万台増 (7.4 % 増) の 722 万台、6 位の ASUS は 31 万台増 (5.5 % 増) の 603 万台とわずかずつながら出荷台数を増やしたのに対し、5 位の Acer は 29 万台減 (4.6 % 減) の 604 万台と減少した。7 位以下のベンダー合計は最も減少幅が大きく、210 万台減 (14.9 % 減) の 1,205 万台となっている。

なお、米市場では 5 四半期連続の 2 桁成長から -8.8 % の減少に転じたという。ビジネス市場の需要増によりデスクトップPCは 8 %増加したが、教育市場での生徒とデバイスの比率は 1 : 1 に近付いており、ノート PC および Chromebook の出荷台数は 10 % 減少したとのこと。その結果、昨年第 3 四半期には Dell に 200 万台以上の差を付けて 1 位だった HP が 230 万台減少 (-30.4 %) して 528 万台となり、52 万台増加 (+10.2 %) と 2 桁成長を維持した Dell が 562 万台となって 1 位に上昇した。

IDC が同日発表した 2021 年第 3 四半期 PC 出荷台数推計値では、326 万台増 (3.9 % 増) の 8,665 万台となっており、全体に Gartner と同様の傾向がみられる (プレスリリース)。

IDC は以前から Chromebook を含めていたため、両社の推計値はこれまでよりも近い数字になった。ベンダー別に見ても 2 位の HP と 3 位の Dell の増減幅は Gartner と同数だ。トップ 6 で Gartner の推計値との差が 1 % を超えているのは IDC の推計値が 5.9 % (43 万台) 多い Apple のみ。最終的に大きな差が付いた原因は 7 位以下の合計で、IDC は Gartner よりも 19.9 % (239 万台) 多い 1,444 万台となっている。

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