ホンダ、新型ジェット「ホンダジェット 2600 コンセプト」を発表
2021年10月15日 07:47
ホンダの航空事業を手掛けるホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)は12日(米国時間)、HondaJet 2600 Concept(ホンダジェット 2600 コンセプト)を発表した。12日から14日にかけて開催された、世界最大のビジネス航空機ショー、ナショナル ビジネス アビエーション アソシエーション(NBAA)で、参考展示。今回の展示により、顧客の新たな需要や市場でのニーズを探るとしている。
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■ホンダジェット 2600の概要
ホンダジェット 2600は、最大航続距離が約4,862kmのライトジェット機。ノンストップでアメリカ大陸を横断可能な世界初の小型ビジネスジェットという。ホンダジェット独自の技術である自然層流翼型・ノーズ、コンポジット胴体、主翼上面エンジン配置(OTWEM)を進化させることで、実現可能となった。
通常、航空機にはパイロット2名が配置されるが、ホンダジェット 2600はオートスロットルなどを搭載、システムの電動化などを行う高度な先進技術を導入することで、シングルパイロットでの運用も可能としている。
フライトディスプレイはすでにホンダジェットを利用しているパイロットも操縦しやすいように、Garmin G3000をベースとして高度なカスタマイズを施し、プラットフォームを進化させた。また、着陸の際に滑走路状態や停止予測位置、着陸プロセス中でのオーバーラン状態などをパイロットに警告するRunway Overrun Awareness and Alerting system(ROAAS)なども備えている。
定員は11名で、基本構成はシングルパイロットと乗客10名、代替案として2名のクルーと乗客9名の2パターンがある。現時点でのシート構成は全席対面のDUAL CLUB、2席のみ対面のEXECUTIVE、全席非対面のAIR TAXI、対面とソファがついたDIVANの4つがカタログには記載されている。
■HondaJetとの比較
HACIではすでにHondaJet(ホンダジェット)とHondaJet Elite(ホンダジェット エリート)を運用、販売している。今回はホンダジェット エリートとホンダジェット 2600 コンセプトでの比較をしてみる。
ホンダジェット エリートは、機体の大きさが全長12.99m、翼幅12.12m、全高4.54m。室内は全長5.43m、全幅1.52m、全高1.47m。最大定員はシングルパイロットと乗客7名もしくは2名のクルーと乗客6名の最大8名となっている。航続距離は2,661kmでホンダジェット 2600のおよそ半分程度。
対するホンダジェット 2600は、機体の大きさが、全長17.62m、翼幅が17.29m、全高が4.84mと全長だけでも1.35倍くらいある。室内に関しても全長7.74m、全幅1.55m、全高1.59mと全体的に長くなった。
ホンダジェット 2600の巡航速度は約833km/h、最大運用高度は約1万4,326mと、ホンダジェット エリートの約782km/h、約1万3,106mをいずれも上回っている。荷室の総容量についてもおよそ2倍に増えている。これも自然層流翼型・ノーズの進化などが恩恵を与えたのだろう。
今回はモックアップの展示となったが、正式リリースの際には現状から変わる部分があるのか、現状のまま発売をするのか気になるところだ。(記事:キーパー・記事一覧を見る)