デンカが次世代の高機能球状フィラー製造設備の増強を決定、スペシャリティー事業を強化
2021年10月14日 09:16
■大牟田工場に50億円の戦略投資で5G・xEV向け高機能製品群を拡充
デンカ<4061>(東1)は10月13日の午後、スペシャリティー事業の成長加速に向けて、大牟田工場(福岡県大牟田市)で50億円の戦略投資による次世代の高機能球状フィラー製造設備の増強を決定したと発表。球状シリカや球状アルミナ、球状マグネシアの高機能グレードの生産能力を増強するために製造設備を新設するとした。半導体を含む高速・大容量データ通信(5G)・自動車の電動化(xEV)における高信頼製品の需要増を見込む。
同社は、経営計画「Denka Value-Up」において、5G・xEVを中心とした環境・エネルギー分野を重点分野の1つと位置付け、同分野における22年度の営業利益220億円を目指している。
同社は1915年の創業以来培ってきた無機材料の高温焼成・窒化反応・粒径制御等の基盤技術を元に、球状シリカ、窒化ホウ素、窒化ケイ素、球状アルミナ、蛍光体など様々な機能性セラミックスを製造している。
球状シリカは低熱膨張性を活かし半導体封止材料や半導体パッケージ基板などに、球状アルミナは高熱伝導性を活かし、車載、通信など多岐に渡る放熱材料として広く使用され、市場から高い評価を得ている。
今回の戦略投資により、これら基盤技術の高機能化を推進し、5Gの伝送損失低減に対応する低誘電正接シリカ、微細化する先端半導体に適応した球状シリカ、更には深刻化する電子機器の熱対策を球状アルミナとともに強力にサポートする球状マグネシアなど、中長期的な高機能フィラーの需要に対応すべく、高度なフィラー制御技術を集約し、設備を増強することで、当該高機能分野でのデファクトスタンダード化を進めていく。さらにBeyond 5G(6G)やxEV等の更なる進化に伴うニーズにもスピード対応できる様、当該設備を活用していく計画だ。
同社は、経営計画「Denka Value-Up」において、5G・xEVを中心とした環境・エネルギー分野を重点分野の1つと位置付け、同分野における22年度の営業利益220億円を目指している。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)