経済の回復が急務! 冷え込む個人消費の新たなカタチ
2021年10月10日 18:22
緊急事態宣言が解除され、新型コロナ感染者数も落ち着いてきた。マスクの着用や密を避ける生活など、必要最低限の対策は継続した上で、一刻も早く経済を持ち直さなければならない。任期満了に伴う与党の総裁選も終わり、岸田新内閣も発足した。総選挙も近い。コロナ禍で傷ついた経済の回復が、選挙の大きな争点となるだろう。
これからの経済を見通す上で、最も深刻な問題は個人消費の冷え込みだ。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置など、個人の活動が制約されたことで個人消費がかなり落ち込んでいる。ワクチン接種を2回完了した人も60%を超え、少しずつ外出する人も増えてはいる。しかし、まだまだ自発的に自粛生活を心がけ、なるべく不要不急の外出を避けているという人も多い。
そんな中、自宅時間を少しでも有意義に過ごせるようにと、国内ハウスメーカーが知恵を絞った新しい住宅商品が続々と発表されている。
例えば、ミサワホーム株式会社では、在宅勤務・学習を快適に行える空間や感染症予防の提案など、現代社会にフィットした工夫やアイデアを盛り込んだ木質系工業化住宅「PRIME SMART(プライム スマート)」を2020年に発売している。リビングには約3mの高天井やハイサッシを用いて、圧迫感の無い空間を展開。テレワーク専用の個室「ミニラボ」や、親子の仕事・学習に適した「ホームコモンズ設計」などで独自のコンセプトを打ち出しているほか、効率的な喚起が可能な「熱交換型24時間フロアセントラル換気システム」、防災や減災にも配慮した設計なども評価が高く、人気を集めている。
また、木造注文住宅を手がける株式会社アキュラホームでは、10月2日より、34帖超のリビングと広い吹き抜けが満喫できるオープン階段が特徴の「キリンと暮らせる家 超空間プレミア」を販売開始した。無柱、間仕切りなしの大空間で、文字通りキリン1頭が余裕で入れる広さは必見。広いリビングの住宅はコロナ禍以降、とくに関心が高い傾向にあるが、その中でも一際注目を集めそうだ。
同商品は話題性だけではない。アキュラホームの宮沢社長は大工出身で、「カンナ社長」の異名を持つ人物。頑丈で丁寧な家づくりには定評のある会社だけに性能面でも申し分ない。大空間を生み出すことで不安視される安全性や耐震性能は、通常の耐力壁の6枚分の強さを持つ「8トン壁」を採用することで対応。10回にわたる実物大倒壊実験もクリアし、大空間と耐震性の両立を実証している。さらに家中快適温度で一年中過ごせる全館空調や、災害に備えた太陽光発電も標準装備。防災性と自由なデザインとコストパフォーマンスの高さは、群を抜いているのではないだろうか。
国内大手の大和ハウス工業株式会社は、住む人のライフスタイルやこだわりにマッチすることに重点を置いた「Lifegenic」を展開している。心地良さや洗練された空気感など、大きく4つのテーマに分かれており、8つの外観デザインと5つのインテリアスタイルから選べるのも魅力の一つ。自分の理想の住まいを手軽に見つけてカスタマイズ出来る点が、人気を集めている秘訣と思われる。
コロナ以前のような消費が戻ってくるのは、まだ先かもしれないが、以前よりも自宅時間が増えたことで、自宅へのこだわりを持つ人が増えている。コロナ禍で変わってしまったライフスタイルに寄り添った個人消費が、新しく生まれつつあるのではないだろうか。住宅業界に限らず、新たな個人消費に対して新たな視点で切り込んでいくことが、今後の企業運営には重要となり、経済復興のカギとなるのではないだろうか。 (編集担当:今井慎太郎)