コロナ行動制限緩和、賛成が多数派 ワクチン効果受け経済回復を重視

2021年10月7日 12:14

 日本のワクチン接種率も6割に達し、接種率が5割を超えた9月には感染の収束も明確になった。政府は10月から行動制限緩和の実証実験を始め、11月には本格的な行動制限の緩和を実施し経済活動の正常化につなげて行く方針だ。デルタ株のまん延で欧米ではワクチンの感染予防効果は当初の90%以上から66%程度に低下したとされる。しかし、十分な感染予防効果があることには変わりはなく、企業の経営体力が限界に近づいている中、これまでと同様の行動制限の持続は合理的ではないといえる。

 この行動制限緩和方針に関連し、IT企業のPIAZZAが9月下旬、自社が運営する地域SNS内で「緊急事態宣言等の緩和に関する調査」を実施、1517名の回答を得て、その結果を29日に公表している。これによれば、これまでの行動制限への評価は、緊急事態宣言の効果については「満足・やや満足」が22%、「不満・やや不満」が42%、また、まん防の効果については「満足・やや満足」が17%、「不満・やや不満」が42%と、宣言、まん防ともに「不満」が「満足」を上回り、これまでの行動制限に十分な効果を感じていない者が多いようだ。

 政府の行動制限緩和方針については59%の者が「知っている」と答えているが、その賛否については「賛成」が多数派で、内容別に見ると、「県をまたぐ旅行や出張など移動制限の緩和」については「賛成(やや賛成含む)」が54%、「反対(やや反対含む)」22%、「飲食業の酒類提供、時短や人数制限の緩和」では「賛成」48%、「反対」27%、「イベントの人数制限緩和」では「賛成」36%、「反対」35%、「学校の部活動・課外活動など」では「賛成」67%、「反対」9%となっており、学校関係で「賛成」が7割近くと最も多く、「イベント」では少なくなっているが、全体として「賛成」が圧倒的多数派だ。賛成理由は「ワクチン接種率が十分になった」61%、「旅行業界や観光地の経済が厳しいから」46%、「飲食関連業界の経済が厳しいから」66%、「イベント関連業界の経済が厳しいから」55%などワクチン効果と経済状況を理由にあげている者が目立つ。

 政府のワクチンパスポート方針についての認知率は57%で、その賛否については「賛成・やや賛成」が57%と約6割を占め、「反対・やや反対」19%を上回った。賛成の理由は「ある程度の規制のもとに経済を回していかないと持たないから」が72%と圧倒的多数となっている。(編集担当:久保田雄城)

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