オンライン講義、大学生4人に1人が中退検討 「大学生活に不満」6割
2021年10月1日 08:31
新型コロナ流行による相次ぐ緊急事態宣言の発出などによって大学の授業はオンラインによる講義が主流となっている。高校まで教室での集団授業に慣れた日本の学生には分散的なオンライン授業は多くのストレスの原因になっているであろう。日本人は論理的表現によるコミュニケーションが苦手で、ツーカーで通じ合う暗黙知を前提としたコミュニケーションをとりたがる傾向があり、それ故に物理的に距離のあるオンライン授業は様々なトラブル、ストレスの原因となり得ると想像される。
プログラミング学習サービスなどを運営するIT企業のLABOTが9月に全国の大学生、短大生、専門学校生200名を対象に「コロナ禍の学生生活に関するアンケート」をインターネット上で実施、同月24日にその結果レポートを公表している。調査結果によれば、「コロナ禍で、中退・休学を検討した経験はあるか」という問いに対して、「一度は考えた・懸念したことがある」と回答した者の割合は36.0%、「真剣に考えたことがある・実際に休学した」は18.0%、両者を合わせると44%になり、2人に1人以上の学生が中退・休学を一度は考えたことがあることになり、大学生活に大きな不満を抱えているようだ。「中退」のみでは、「一度は考えたことがある」と「真剣に」を合わせると24.5%おり、およそ4人に1人の学生が1度は中退を検討している。「友人や知人に、新型コロナが原因で休学・中退を考えたり、実際に行った者がいるか」との問いに「いる」と回答した者は約6割、57.0%にもおよぶ。
コロナ禍のオンライン授業で「孤独を感じたか」という質問には、「強く感じた」と「感じることがあった」と答えた者の合計は72.5%と7割超だ。自由回答では「難しい問題に当たった際に、友人と助け合えず解決に時間がかかった」、「自然に人と関わる機会を失ったことで、精神的に影響」などの意見が見られる。学びの習熟度に対しては、59.0%が「満足していない」と回答している。自由回答では「メールでの質問・相談となり進行が遅く、混乱や誤解が生じやすい」という声もみられた。「就職や進学に不安を感じている」と回答した者は91.0%にのぼり、その原因の多くが「学びの習熟度」55.5%となっており、コロナ禍のオンライン授業で学習成果を感じられず、十分なスキルを獲得できている実感が持てないでいるようだ。オンライン授業それ自体よりも、友人や教員との交流のあり方にも問題がありそうだ。(編集担当:久保田雄城)