コロナ関連の破たん2005件に 宣言解除後の行動制限緩和に注目 東京商工リサーチ

2021年9月25日 14:42

 東京商工リサーチは24日、コロナ禍の影響で経営破たんした国内事業者数が1週間で15件増え、累計で2,005件(負債1,000万円以上)に達したと発表。9月はすでに111件に達し、引き続き飲食関連を中心に高い水準で推移。新規感染者数の減少で東京や大阪などの緊急事態宣言が30日に解除される見方が強まる中、具体的な行動制限の緩和に注目が集まる。行動制限が緩和され売上が回復しない限り、事業者の過剰債務問題は解消されない。

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 東京都は24日、都内で新たに確認された新型コロナウイルス感染者数が235人だったと発表した。33日連続で前の週の同じ曜日を下回り、24日までの1週間における1日当り新規感染者の平均は469人と、前週の946人や前々週の1,652人から大幅に減少。7日間平均が500人を下回ったのは約3カ月ぶり。

 河野太郎規制改革担当大臣は24日、若い世代においてもコロナワクチンの接種が普及している状況を公表した。20代と30代の約半数が1回目の接種を終えたとの内容。若い世代の外出等による感染拡大への懸念が弱まり、現在19都道府県を対象とする緊急事態宣言の解除に期待が高まる。

 西村康稔経済財政・再生担当大臣は24日、10月に予定する行動制限緩和の実証実験について、大阪府や北海道など13自治体が参加を申請したと発表した。一定の条件を満たす場合に、飲食店の酒類提供やスポーツイベント等の入場制限などを緩和するもの。実証実験の結果として感染拡大防止と経済回復の両立が認められれば、正常化に向け大きな前進となる。なお、東京都は24日時点では実験参加を申請していない。

 新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間24日午前10時時点で2億3,109万人超、死者数は473万人超。国別の最多は米国の4,285万人超、次いでインドが3,359万人、ブラジルが2,132万人。以下、イギリス763万人、ロシア726万人、フランス707万人、トルコ698万人と続く。日本は累計169万人を超えた。

 かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数が、24日時点で2,005件(負債1,000万円以上)に達したと発表。負債1,000万円未満の小規模倒産を含めると2,113件(先週比16件増)。破たん企業(負債1,000万円以上)が雇用していた従業員数の累計は、判明している数だけで2万1,344人(同48人増)に達した。

 緊急事態宣言が9月末に解除される見方が強まる中、宣言解除後に行動制限がどこまで緩和されるかに注目が集まる。飲食関連を始め不振が続く業界では、政府による金融支援で短期的なキャッシュフローへの懸念は小さいものの、過剰債務を抱え中長期的には事業存続に大きなリスクがある。債務を減らすには売上を回復させる必要があり、政府主導の実証実験などを通した行動制限の緩和が期待される。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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