北海道で発見されたウイルス、「エゾウイルス」と命名

2021年9月24日 08:21

北海道大学などの研究グループが感染症の原因となる新しいウイルスを発見し、「エゾウイルス」と命名した (プレスリリース論文)。

エゾウイルス (Yezo virus、YEZV) はクリミア・コンゴ出血熱ウイルスなどと同じブニヤウイルス目ナイロウイルス科に分類されるウイルスで、2014 年 ~ 2020 年に 7 件の症例が確認されている。いずれの症例でもマダニに刺された数日から約 2 週間後に発熱や筋肉痛といったエゾウイルス感染症 (エゾウイルス熱) の症状を訴えており、北海道内での感染が疑われている。

北海道内ではエゾシカの 0.8 %、アライグマの 1.6 % で YEZV 抗体が確認される一方、エゾタヌキやエゾヤチネズミ、アカネズミで陽性は確認されなかったという。また、北海道で 2016 年 ~ 2020 年に植物から採取したマダニの主要な 3 種 (オオトゲチマダニ、ヤマトマダニ、シュルツェマダニ) では RT-qPCR 検査で YEZV RNA が検出されており、中でもオオトゲチマダニの検出率 (3.8 %) が最も高かったとのこと。

そのため、YEZV は北海道内に定着していると考えられる。なお、ナイロウイルス科のウイルスは命に係わる熱病の原因になることもあるが、現在までに YEZV 感染症による死者は確認されていないとのことだ。 

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