【注目銘柄】リバーホールディングスはIPO統合会社のシナジー効果先取りのラストチャンス

2021年9月16日 10:11

【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】

 リバーホールディングス<5690>(東2)は、今年7月28日につけた上場来高値1618円を視界に捉えた。同社株は、タケエイ<2151>(東1)と共同株式移転方法による経営統合を推進中で、両社の完全親会社となるTREホールディングス<9247>(東1)が、10月1日に東京第1部に新規株式上場(IPO)されることから、リサイクル事業の補完・協業を強める総合環境企業としてのシナジー効果が期待されるとして先取り買いが増勢となっている。株価的には、株式移転比率換算では両社株は同サヤにはあるものの、値ごろ的にはリバーHDが200円幅の下サヤにあることも、買い易いとして手掛かり材料となっている。

■総合環境企業として売り上げ1000億円を目指す

 リバーHDとタケエイは、今年3月に廃棄物処理とリサイクル事業を主力とするタケエイと金属有価物、廃家電、使用済み自動車、廃プラスチックなどの処理をするリバーHDの両社が統合することは、処理物量がタケエイの120万トン、リバーHDの80万トンが相乗して拡大し、収運車両も同じく400台と130台が合算して500台超と能力がアップ、リサイクル拠点の相互活用、さらに顧客企業へのクロスセリングも寄与し、ワンストップでリサイクル処理サービスや再生可能エネルギーを提供する総合環境企業に成長する出発点になるとして共同株式移転方式による経営統合に合意した。株式移転比率は、タケエイにはTREHDの株式を1.24株割り当て交付し、リバーHD株式1株には同じく1株を割り当て交付する。

 統合会社の当面のシナジー効果は、売り上げがタケエイの年間売り上げ420億6200万円(2021年3月期実)とリバーHDの年間売り上げ362億300万円(2021年6月期実績)を単純合計して782億円超、純利益も同じく22億円7200万円、31億3500万円の合算で54億円超に拡大するが、経営統合会社は、総合環境企業として海外展開の積極化も含めて売り上げ1000億円を目指し、この達成のための新中期経営計画は、統合後に公表予定である。足元のリバーHDの業績も2021年6月期業績を期中に2回も上方修正するなどタケエイともども好調であることも、TREホールディングスへの期待を高め、先取りされている。

■最終取引日の9月28日までが低PER修正のラストチャンス

 株価は、経営統合発表時はタケエイともども限定的な反応につどまったが、業績の上方修正や再生可能エネルギー関連株人気などで大きく上昇し、今年7月には上場来高値1618円をつけたが、統合前の9カ月の変則決算となる今2022年3月期決算と第1四半期配当(10円)を嫌って窓を開けて1242円まで急落、統合会社のIPOが承認されたことで反発し急落時の窓埋めを終了した。今期予想業績の12カ月換算のPERは12倍台と割安であり、同社株の上場廃止となる前の最終取引日の9月28日までがシナジー効果先取りのラストチャンスになる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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