今日の為替市場ポイント:米国株高を意識して円買い抑制も
2021年9月16日 08:37
*08:37JST 今日の為替市場ポイント:米国株高を意識して円買い抑制も
15日のドル・円は、東京市場では109円74銭から109円42銭まで反落。欧米市場では、109円47銭から109円11銭まで下落し、109円38銭で取引終了。本日16日のドル・円は主に109円台で推移か。米国株式の反発を意識してリスク回避的な円買いは抑制される可能性がある。
9月15日発表された8月の米輸入物価は、前月比-0.3%と昨年10月以来のマイナスを記録し、8月の米鉱工業生産は市場予想をやや下回った。市場関係者の間では「米国のインフレが加速する可能性は、ほぼなくなった」との見方が広がっている。米連邦準備制度理事会(FRB)は量的緩和策の段階的な縮小を断念することはないとしても、今月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で緩和策縮小の具体的な工程が決定されるとは限らない。
ただ、インフレ鈍化を前提にした金融政策を急いで策定する必要はないだろう。FRBが重視するPCEコア価格指数の上昇率は2022年にかけて2%を下回る可能性があると指摘されているが、予想を上回る雇用拡大などの要因が出現する可能性は否定できない。量的緩和の規模をどの程度まで縮小するのか、現時点で決定することは難しいとみられる。《FA》