【注目銘柄】日本伸銅は8期ぶりの最高純益に肉薄、業績上方修正を手掛かりに高値奪回へ
2021年9月13日 08:15
【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】
日本伸銅<5753>(東2)は、今年8月13日に今2022年3月期第1四半期(2021年4月~6月期、1Q)決算の開示とともに上方修正した今3月期通期純利益が、8期ぶりに過去最高に肉薄することを手掛かりに割安修正買いに期待がかかる。業績上方修正の一つの要因となった銅建値が、今年5月に過去最高の1トン=119万円に急騰し、そこから値下がりしたものの、足元では107万円台と前年同月の76万円台に比べてなお高水準にあることも、フォローの材料視されている。
■銅建値は過去最高値で伸銅品の1Q売り上げは98%増
同社の今3月期通期業績は、期初予想より売り上げを50億円、営業利益を7億3000万円、経常利益を5億3000万円、経常利益を5億3000万円、純利益を4億円それぞれ引き上げ、売り上げ230億円(前期比47.3%増)、営業利益16億円(同3.3%減)、経常利益14億円(同2.31倍)、純利益10億円(同2.40倍)と前期の減収減益業績からV字回復し、純利益は、過去最高純益10億7900万円(2014年3月期)にあと7900万円と迫る。
今期1Q業績で昨年秋以降に自動車、半導体の需要が回復に転じ、主要原材料の銅建値が、今年5月に1トン=119万円と過去最高となっており、価格高騰に販売量の増加がオン、主力の伸銅品では販売数量が6448トン(前年同期比34.8%増)、売り上げが53億7500万円(同98.4%増)と好調に推移し、伸銅加工品の売り上げも2億9700万円(同23.0%増)となっており、1Qに銅価格高騰をヘッジするためのデリバティブ損失1億4200万円を計上したこともカバーした。配当は、年間10円(前期実績10円)と安定継続を予定している。
■GC示現でPER4倍、PBR0.4倍の修正に弾みをつけ最高値奪回の目も
株価は、前期第2四半期業績の減収減益率縮小を手掛かりに1700円までリバウンドし、今年2月の前期業績の上方修正では逆に1384円と売られ、今期業績の増収増益転換予想に自己株式取得がオンして1542円まで切り返し今期業績の上方修正ととともに年初来高値1923円まで急伸し、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデン・クロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆した。足元では、この急伸時に開けた窓を埋める調整を続けてきたが、PERはわずか4倍台、PBRは0.45倍と大きく割り負けており、早晩、年初来高値を奪回し、弾みをつけて2018年1月の上場来高値2700円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)