スタジオジブリの原点を辿る「アニメージュとジブリ展」宮城・大阪などで

2021年9月6日 17:14

 スタジオジブリの原点を振り返る展覧会『「アニメージュとジブリ展 」一冊の雑誌からジブリは始まった』が、2021年9月12日(日)まで宮城・石巻のマルホンまきあーとテラスで、2021年12月9日(木)から2022年1月10日(月・祝)まで大阪の阪急うめだ本店 9階にて開催。その後、2022年2月5日(土)から3月27日(日)まで、秋田のアトリオン2F美術展示ホールにも巡回予定だ。

■スタジオジブリの原点を振り返る展覧会「アニメージュとジブリ展」

 1978年に創刊された日本初の本格的な商業アニメ雑誌で、アニメ雑誌のパイオニア的存在である『アニメージュ』。本誌では、それまで脚光を浴びることのなかった業界内部、作家や制作に関わる人をクローズアップし、制作の現場裏を垣間見られる場面写真やインタビュー記事を掲載してきた。

 そして、その『アニメージュ』を創刊から中心となって支えたのが、鈴木敏夫だ。彼は、『アニメージュ』で様々な実験的な試みを行う中、高畑勲、宮崎駿らとともに名作『風の谷のナウシカ』を世に送り出し、スタジオジブリ誕生への道筋をつくった。編集者である傍らプロデューサーとして、『火垂るの墓』や『となりのトトロ』など多くの作品に携わってきた。

また、『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』に象徴される日本で最初のアニメブームを盛り上げた立役者の1人でもある。

■鈴木敏夫の“編集者”としての仕事に着目

 『「アニメージュとジブリ展 」一冊の雑誌からジブリは始まった』では、今日、多くの作品を世に送り出すスタジオジブリのプロデューサーである鈴木敏夫の“編集者”としての仕事に着目。鈴木敏夫が編集した1989年11月号までの12年弱にわたる『アニメージュ』をもとに、『機動戦士ガンダム』を軸としたアニメブームから、『風の谷のナウシカ』の成功、そしてスタジオジブリ誕生と『天空の城ラピュタ』までを振り返る。

また、『アニメージュ』を作るうえで確立していった鈴木流のプロデュース術とはどういうものであるか、それが後の作品制作にどのような影響を与えたのかを紹介。さらに、鈴木敏夫と『アニメージュ』が日本だけでなく、世界のアニメーションの歴史と昨今の日本文化に与えた影響にもフィーチャーする。

■東京展の様子を紹介

 ここから先は、2021年4月から一足先に開催された東京展の様子とともに、展覧会の詳細に迫っていく。

 注目は、作品の世界観を存分に楽しめる展示だ。中でも目玉となるのは、『風の谷のナウシカ』に登場する「風使いの腐海装束」の展示。映画『シン・ゴジラ』など数々の作品でキャラクターデザインなどを手掛ける造形師・竹谷隆之の作品で、等身大で展示されるのは初の試みとなる。

 さらに会場では、長銃や蟲笛、瘴気のマスクのほか巨神兵の模型も展示。そのリアルな表情に目を奪われること間違いなしだ。

■『アニメージュ」の流れを追う展示

■アニメージュ誕生! 「テレビまんが」からアニメブームへ

 1970年代後半のアニメブームの勃興期を、当時のアニメ映画ポスター、アニメグッズ、セル画コレクションといった資料から振り返る展示が登場。『アニメージュ』に先行して存在していたアニメ関連出版物も広く展示し、『アニメージュ』の独自性も知ることが出来る。

■アニメージュは私たちにすべてを教えてくれた ガンダムが変えた歴史

 また、『アニメージュ』が繰り返し取り上げた、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』特集紙面の再現や当時の制作資料を展示。また、ガンダムのプラモデル“ガンプラ”に注目し、初期“ガンプラ”による『機動戦士ガンダム』の名シーンを立体で表現したジオラマも展開する。

 『機動戦士ガンダム』の生みの親である富野由悠季に関する資料展示も。富野と共に『機動戦士ガンダム』を作り上げた、美術・デザインに係る人々や声優を特集した『アニメージュ』の記事を通して、その活動を知ることが出来る。

■加速するアニメブーム 拡大するアニメージュ

 鈴木敏夫の志向性が色濃く出た『アニメージュ』の表紙と付録を集積した本エリア。電車内の中吊り広告なども展示され、『アニメージュ』が興った時代の雰囲気を感じられる。

 当時のファンにはたまらなく懐かしいグッズや冊子がずらりと並んだ展示スペースは圧巻。時間を忘れて見入ってしまうような、細かな意匠が詰め込まれた貴重な資料を一度に見ることができる貴重な機会となる。

■ナウシカへの道 一冊の雑誌から映画が誕生

 1982年に原作漫画を連載開始、84年に映画化を実現した『風の谷のナウシカ』をフィーチャー。貴重なレイアウトや原画、美術ボード、今回が初公開となるセル画などの資料を展示する。また、徳間書店制作の他の映像作品もまとめて紹介し、押井守監督作品「天使のたまご」の資料なども見ることが出来る。

■「天空の城ラピュタ」「風の谷のナウシカ」オリジナルグッズも

 『「アニメージュとジブリ展 」一冊の雑誌からジブリは始まった』の開催を記念して、オリジナルグッズを発売。スタジオジブリの人気作品映画『風の谷のナウシカ』などをモチーフにしたぬいぐるみ、バスタオル、タペストリー、マルチケースなどのグッズを揃える。

 アニメージュの表紙をそのままバッジにした「スクエア缶バッジ」や、「天空の城ラピュタ」「風の谷のナウシカ」イメージのブローチ・ステンレスボトルなどもラインナップ。

 さらに、本展覧会の企画のきっかけにもなった『ALL ABOUT TOSHIO SUZUKI スタジオジブリの名プロデューサー・鈴木敏夫のすべて』の販売や、『アーヤと魔女』の書籍・グッズ、公開20周年の『千と千尋の神隠し』関連グッズも販売される。

 なお、これらのオリジナルグッズは、全国巡回に伴い各会場にて販売予定だ。

【詳細】
『「アニメージュとジブリ展 」一冊の雑誌からジブリは始まった』

■宮城会場

会期:2021年6月19日(土)〜9月12日(日)
会場:マルホンまきあーとテラス(石巻市複合文化施設)
住所:宮城県石巻市開成1番地8
開館時間:10:00~17:00(入場は閉場の30分前まで)
※土日祝は日時指定制
休館日:毎週月曜日
入場料:一般 1,500円(1,300円)、中・高校生 1,000円(800円)、小学生 800円(600円)
※( )内は前売料金
※障がい者手帳等を会場受付にて提示すると、介添え人(障がい者1名につき1名まで)は無料

■大阪会場

会期:2021年12月9日(木)〜2022年1月10日(月・祝)〈日時指定制〉
※イベントは事情により中止、変更となる場合あり。
会場:阪急うめだ本店 9階 阪急うめだギャラリー、うめだホール
住所:大阪府大阪市北区角田町8-7
開館時間:10:00~20:00
※12月31日(金)および最終日は18:00閉場 ※入場は閉場の30分前まで
休館日:2022年1月1日(土・祝)
入場料:一般 1,500円(1,400円)、中・高校生 1,000円(900円)、小学生 600円(500円) ※日時指定制
※( )内は先行料金 ※未就学児無料
※10月1日(金)以降・会期中も同一料金
※先行券、日時指定前売券の販売はローソンチケット(ローソン、ミニストップ店頭)にて販売
※全日程数量限定。販売数の上限に達していない枠は当日会場にて販売
※本展覧会は阪急阪神お得意様カード、各種ペルソナカード、エメラルドSTACIAカード、友の会カードを含むいずれのカードも優待はなし
先行券販売期間:8月13日(金) 10:00~9月30日(木) 23:59
※インターネット予約及びローソン、ミニストップLoppi(Lコード:59990)
一般発売日:10月1日(金) 10:00~

■秋田会場

会期:2022年2月5日(土)〜3月27日(日)
会場:アトリオン2F美術展示ホール
住所:秋田県秋田市中通2-3-8
※開館時間は詳細決定次第、発表
休館日:2022年2月27日(日)
※販売窓口、入場料金については詳細決定次第、発表

<グッズ例>
・ぬいぐるみ テト 11,000円、王蟲 14,300円
・五彩織バスタオル 8,800円
・ゴブラン織りタペストリー 16,500円
・マルチケース(風の谷のナウシカ 天空の城ラピュタ)各3,300円
・スクエア缶バッジ 各440円

■会期終了

・東京会場
会期:2021年4月15日(木)~5月5日(水)※全日日時指定制
会場:松屋銀座 8階イベントスクエア(東京都中央区銀座3-6-1)

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