7月の外食市場規模、2カ月連続でマイナス コロナ前から半減続く
2021年9月3日 16:25
リクルートの調査・研究機関であるホットペッパーグルメ外食総研によると、7月の外食市場は2カ月連続で前年同月比マイナスとなったものの、コロナ前となる19年比ではマイナス幅が縮小したことが分かった。
【前月は】6月の外食市場は1345億円、3カ月ぶりにマイナス 居酒屋やバーの苦境続く
■2カ月連続マイナスも19年比は改善傾向
1日、ホットペッパーグルメ外食総研が2021年7月の外食市場調査を発表した。7月の外食市場規模は前年同月比294億円減の1,672億円と、21年6月に続いて2カ月連続でマイナスとなった。
新型コロナウイルス感染拡大前の19年7月比では51.9%減であり、6月の同59.7%減からは7.8ポイント減少幅が縮小(市場が改善)している。それでも半減が続く厳しい状況ではある。
個別の指数では、外食実施率は前年同月比2.4ポイント減の53.2%とマイナスだったが、外食実施率が50%を超えたのは4月の51.4%以来のこと。外食頻度は同0.20回減の3.42回、外食単価は同124円減の2,271円となり、市場規模同様に2カ月連続で3指数ともマイナスとなった。
■60代男性が実施率、単価ともに大きくマイナス
圏域別の市場規模は首都圏が前年同月比213億円減の937億円、関西圏が同54億円減の487億円、東海圏が同23億円減の248億円。3地域ともに2カ月連続でマイナスとなった。
外食実施率と外食単価は性別や年齢層で増減の違いが出た。外食実施率でプラスだったのは、20代男性(7月の外食実施率:63.1%、前年同月比:0.5ポイント増、以下同じ)、30代女性(56.9%、4.1ポイント増)、50代女性(46.2%、1.4ポイント増)、60代女性(49.3%、1.4ポイント増)。反対に60代男性(49.6%、10.3ポイント減)、30代男性(58.6%、6.4ポイント減)、50代男性(47.5%、6.7ポイント減)と男性で実施率が大きく減った年齢層が多い。
外食単価でプラスだったのは20代男性(7月の外食単価:2,408円、前年同月比:92円増、以下同じ)、30代女性(2,550円、138円増)、60代女性(2,353円、50円増)。反対に30代男性(2,042円、326円減)、40代女性(2,174円、277円減)、60代男性(2,377円、323円減)で大きく単価が下がった。
■居酒屋やバー業態は大幅マイナスが続く
業態別市場規模は16業態中11業態でマイナスに。特に大きくマイナスとなった業態には和食料理店(7月の市場規模:245億円、前年同月比:54億円減、以下同じ)、焼肉・ステーキ・ハンバーグ等の専業店(222億円、47億円減)、居酒屋(225億円、124億円減)、バー・バル・ワインバー・ビアホール・パブ(30億円、31億円減)などがある。
反対にプラスとなったのは、レストラン・食堂・ダイニング・洋食店(市場規模:114億円、前年同月比:5億円増、以下同じ)、すき焼き・しゃぶしゃぶ・鍋・おでん等の専業店(41億円、1億円増)、スナック・ナイトクラブ・キャバレー(28億円、8億円増)、ファーストフード(15億円、1億円増)の4業態。またカラオケボックスは市場規模3億円で前年同月比変わらずだった。(記事:県田勢・記事一覧を見る)