シュタイン 2021-22年秋冬コレクション、静けさに包まれた構築的な服たち

2021年8月21日 20:23

 シュタイン(stein)は2021-22年秋冬コレクションを発表した。

■“静けさ”に内包される複雑な構築

 今季のシュタインのシーズンテーマは“MOOD OF CALMNESS”。シュタインらしい落ち着きのあるムードをより洗練させたような、静謐な表情を含んだアイテムの数々を展開する。

コレクション全体に漂うのは“静けさ”や“冷たさ”といったムード。カラーパレットもブラックやネイビーといったダークなものがメインで、シーズンテーマの世界観をより一層引き立てる。しかし、アイテムそれぞれは無表情でなく、見る人、着る人を惹き付けるようなディテールが満載。シックでありながら、一捻りも二捻りも加えたような、魅力的なピースが揃う。

■一見シンプルなアウターは複数のギミックを隠して

 程よいボリューム感を保ちつつも、冬物にありがちな野暮ったさを一切排除したパデットコートは、着脱可能なパーツや隠れたポケットなど、複数のギミックを搭載。ベルトパーツも付属しているため、トレンチコートにも変化するユニークな一着だ。

 一見シンプルに見えるトレンチコートも、前の合わせを二重にしたり、両裾にボタンによって開閉出来るスリットを配したりと、ウィットに富んだディテールを詰め込んだ。また、完全新作のダブルボタンのコートは、フロントに2列でボタンを配することでシルエットの変化を可能にした。

 2018-19年秋冬コレクションで制作したノーカラーのボアジャケットや、リバーシブル仕様のムートンジャケットも注目すべきアウター類。本革を使ったブランド初のリバーシブルムートンジャケットは、珍しいグリーンのライナーが印象的。ブランドイメージと合致する生地選びに時間を掛けたという、デザイナーのこだわりが詰まった一着だ。

■ドレスアイテムはシルエットでカジュアルな要素をプラス

 ジャケットやスラックスなどのアイテムは、デイリーやカジュアルシーンでの着用を想定した、シュタインらしいゆったりとしたサイズ感で。2021年春夏コレクションから制作しているシングルジャケットは、同コレクションでラインナップするダブルジャケットよりも少し身幅を絞り、僅かに着丈を伸ばして構築。グレーカラーのモデルには軽くて柔らかいカシミヤを素材に採用した。

 ベストとジャケットがセットになったコンビネーションジャケットは、何通りの着方も出来るユーティリティなアイテム。ジャケットのボディにキュプラ素材を使用している点や、目が詰まっていて柔らかい家具用の生地をジャケットの袖やベストに取り入れている点も面白い。

■表情豊かな生地と仕立て

 また、コレクション内で存在感を放っているのが、ニット素材とプリーツを掛け合わせたアイテムたち。使用する3種類の糸の伸縮によってそれぞれの細やかなプリーツを形成しており、ジャケット、比翼シャツ、カットソー、パンツをラインナップする。

 その他、カーディガンのシリーズもバラエティ豊か。中でもスリーブを4本配したカーディガンは遊び心に溢れた一枚。2本のスリーブに腕を通し、残りの2本はそのまま垂らしても、フロントで結んでアクセントにしてもOK。スリーブの中にスリーブを通すことが出来るので、通常のカーディガン同様に着用することも可能だ。

ルックで4本スリーブのカーディガンと合わせているのは、マフラーベスト。被ってベストとして着用しても良し、折ってマフラーとして首に巻いても良しな、秋冬のコーディネートに奥行きをもたらしてくれるアイテムだ。

関連記事

最新記事