【どう見るこの株】日鉄鉱業は鉄鋼増産と銅価格上昇の二刀流の業績上方修正見直す

2021年8月19日 08:00

【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】

■「第2の海運株」候補との思惑も

 日鉄鉱業<1515>(東1)は、今年8月4日に鉄鋼の生産回復と銅価格の上昇の二刀流により今2022年3月期業績を上方修正するとともに配当も大幅増配しており、これを見直して割安修正期待の買い物が再燃している。テクニカル的にも、5日移動平均線が下から25日移動平均線、75日移動平均線を次々に上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド復活を示唆しており、サポート材料視されている。またファンダメンタルズが、市況上昇、業績の上方修正、増配と連日の大商いで上場来高値を更新中の海運株と類似していることから「第2の海運株」候補との思惑も高めている。

■資源事業の鉱石の営業利益は21%増益、金属は2.4倍

 同社の今2022年3月期業績は、期初予想より売り上げが106億円、営業利益、経常利益が20億円、純利益が10億円それぞれ引き上げられ、売り上げ1兆3900億円(前期比16.7%増)、営業利益114億円(同30.6%増)、経常利益117億円(同21.5%増)、純利益60億円(同60.1%増)と連続の増収増益率を伸ばす。資源事業の鉱石部門では主力の石灰石が、鉄鋼生産の回復を受けて続伸し、売り上げが前期比3%増、営業利益が同21%増、金属部門では銅価格の上昇で同じく売り上げが32%増、営業利益が2.4倍と見込んでいることが要因となる。純利益は、前期に計上した鳥形山鉱業所の火災事故関連の損失17億5400万円が一巡して増益転換率を伸ばす。

 配当は、業績の上方修正に伴い連結配当性向30%をメドとする配当政策に従って、年間210円(前期実績100円)へ連続増配幅を大幅に拡大予定である。

■ミニGC示現でPER9倍、PBR0.5倍、配当利回り3.1%の修正に再発進

 株価は、昨年11月の前期業績の上方修正で5340円高値まで買われ、鳥形山鉱業所の火災事故で5090円と下ぶれたものの、銅価格の上昇とともに7460円高値まで買い進まれ、配当権利落ち後安値6410円からは前期業績の再上方修正、今期業績の続伸予想と続いて年初来高値7480円をつけた。同高値後は5530円安値をつける大きな調整となったが、今期業績の上方修正で6730円までリバウンド、この間、5日線が25日線、75線を次々と上抜くミニGCを示現して上方トレンド転換を示唆した。

 PERは9倍台、PBRは0.49倍、配当利回りは3.15%と大きく割り負けており、この修正に向け年初来高値7480円奪回に再発進し、2017年10月の上場来高値8490円も視界に入ってこよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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