『犬部!』本編の冒頭映像が公開 動物保護サークルの若者たちを描く
2021年8月12日 15:53
7月22日より公開中の映画『犬部!』の本編映像が公開された。同作は大学の動物愛護サークルを主題にした作品で、口コミやSNS上では感動作との呼び声が高い。
【こちらも】映画『犬部!』林遣都の“犬バカ”全開な表情&真剣な獣医師姿の場面カット解禁
●動物愛にあふれる冒頭場面
公開されたのは、本編冒頭8分間の映像。獣医学部の学生・颯太がキャンパスを飛び出し、大慌てで帰宅する場面から始まる。アパートの扉を開けると、待ち受けているのは愛くるしい犬たち。自宅を改造し、小さな動物保護施設にしているのである。
やがて、アパートに颯太の友人である柴崎と佐備川が集まった。新しい保護犬・ニコを連れてきた颯太を見て、「犬バカ」と呆れる佐備川たち。
ところが、ニコは獣医学の外科実習用に飼われていた犬だった。やがて立ち上がる動物保護サークル「犬部」の活動と、その後の葛藤を予感させながら、8分間の本編映像は終わっている。
●脚本は動物ドキュメンタリーで知られる山田あかね
脚本の山田あかねは、動物ドキュメンタリーの第一人者。テレビ制作時代から、犬や猫を扱った番組を多く発表してきた。
特筆すべきは、2015年に公開された映画『犬に名前をつける日』だ。自身の愛犬を失った悲しみの中で企画された作品で、動物保護施設や団体の活動に迫っている。4年にわたる取材で撮り重ねた映像は、女優・小林聡美らによる創作パートと組み合わさり、異色のドキュメンタリードラマとなった。
こうした経験が活かされているだけに、『犬部!』は非常にドラマチックな動物映画となっている。公開された映像からも伝わる通り、保護犬と触れ合う若者たちの姿は真に迫るようだ。林遣都や中川大志、大原櫻子ら豪華キャストが集結したことで、映像としての魅力も存分に引き出されている。
●混迷する社会への問いかけ
若者のボランティア活動を扱った近年の映画としては、大学生によるカンボジア支援を描いた『僕たちは世界を変えることができない。』(2011年)などが知られている。
この10年間、SNSやクラウドファンディングの普及により、個人による社会への問いかけが容易に行えるようになった。コロナ禍でキャンパスライフが一変し、もどかしい思いで活動の場を求める若者も少なくない。
本作のヒットは、そんな人々の社会参加に対する思いを体現しているのではないだろうか。
映画『犬部!』は全国の劇場で公開中だ。
●『犬部!』あらすじ
舞台は青森県十和田市。獣医学部の学生である花井颯太(林遣都)は、命を救いたいという一途な想いで動物の保護活動を続けていた。
ある日、一匹の実験犬を救ったことをきっかけに、颯太は動物保護サークル「犬部」を設立する。同級生の柴崎涼介(中川大志)らと、動物を救うために奔走する颯太。
それから16年後、動物病院で働いていた颯太は、とある罪により逮捕されてしまう。報道を聞いたかつてのサークル仲間たちは再び集まるが、そこには柴崎の姿だけがなかった……。
(記事:村松泰聖・記事一覧を見る)