クラゲ、鉄道、オペラ座の怪人…ホテル各社が個性的な「コンセプトルーム」
2021年8月12日 15:32
コロナ禍で気軽に旅行に出かけられなくなり、ホテルに宿泊することの「特別感」が増している。数少ない旅行者に選ばれようと、独自の世界観で客室をコーディネートする「コンセプトルーム」を展開する宿泊施設が増えてきた。
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オリックス・ホテルマネジメントは7月11日、クロスホテル京都に「見上げる!MANTENくらげルーム」を1室限定でオープンした。京都水族館との共同企画で、「夜空に浮かぶクラゲ」をテーマに客室天井にミズクラゲをリアルなイラストで描いた。6月につくった「オオサンショウウオ」をテーマにした客室が好評だったため、京都水族館と再びタッグを組んだ格好だ。
相鉄ホテルマネジメントは7月12日から、相鉄フレッサイン京都四条烏丸で「鉄道コンセプトルーム」の予約を開始した。コネクティングルームに、実際に走行していた車両の部品を設置して運転台の雰囲気を再現。2人掛けのクロスシートも置いて、鉄道ファンや子供連れから人気を博している。
相鉄ホテルは7月27日、京急ナイトミュージアム&ステイというプランも発表している。8月18日と20日の2日間限定プランで、京急線をはじめ、複数の路線が乗り入れる横浜駅を見下ろせる横浜ベイシェラトンホテル&タワーズの1室に宿泊。さらに、電車の博物館「京急ミュージアム」を閉館後に満喫できる体験をセットにした。客室そのものには手を加えずに「鉄道」をテーマにした変形型コンセプトルームだ。
JR東日本グループの日本ホテルは、メムズ東京で8月6日から、「オペラ座の怪人」のコンセプトルームを販売している。隣接する劇団四季の劇場で上演中のミュージカルの世界を再現する。怪人の仮面のレプリカや、19世紀後半のパリを彷彿させるデザインのベッドボードなどを置いた。
東急リゾーツ&ステイは、8月30日開業予定の「東急ステイ新宿イーストサイド」で、東急ハンズプロデュースによるコンセプトルームを提供開始する。「ビューティー&ケア」をテーマにした客室には、東急ハンズセレクトの美容グッズやスキンケア商品を準備し、リラックス空間をつくった。これ以外にも「仕事と趣味に没頭する」や「お部屋時間を楽しむ」などのコンセプトルームをつくった。
アイデア次第では、低予算で宿泊客に訴求できるコンセプトルーム。通常の客室よりも宿泊単価も高く設定可能だ。SNSとも相性が良いため、今後も全国に個性的な宿が増えていきそうだ。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)