ヤマト運輸とアルフレッサ、AI用いて配送量など予測 医療品を適性配車

2021年8月5日 17:01

 ヤマト運輸と医療品の卸などを手掛けるアルフレッサは3日、AIを用いて適性配車を行うシステムを開発し、導入を開始したと発表した。両社は、2020年7月にヘルスケア商品の共同配送に関して、仕組構築に向けた業務提携を行っており、今回がその第1弾の取り組みとなる。

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 アルフレッサの持つ物流や需要トレンド、販売などのビッグデータをAIで分析し、顧客ごとの発送発生確率、注文数、納品時の滞在時間などを予測する。AIが学習を重ねることで予測の精度が増し、効率的な配車計画がたてられるようになるという。

 共同開発したシステムでは、自動的に配車計画を作成する。ヤマト運輸の保有する物流と配車の知見に加え、渋滞などの道路情報などもあわせて勘案し、最適な配送体制を構築する。配送量や配送先が多い場合は、ヤマトグループの配送リソースも活用する。

 またアルフレッサは、医療品の納品時、配達員と医療従事者が対面で検品を行っているが、納品量が多い時には手間と時間がかかるという課題があった。デジタルで事前検品を行う「パッケージ納品」を推進し、検品作業時間も最大20%削減する。

 システムの活用により、配送性能性は最大で20%向上する見込みだ。また、これまでの固定した配送ルートではなく、業務量に応じた配送ルートを設定すれば、配達車両の走行距離を短縮。CO2の排出量を下げる効果も期待できる。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、物流分野でも医療品の安定的な供給や、医療従事者の業務軽減に寄与することが求められている。だが、長距離ドライバーは慢性的に不足しており、現行のシステムでは安全な医療品流通ネットワークの維持が困難になりつつあった。

 ヤマト運輸とアルフレッサはこうした課題に加えて、CO2削減にも役立つシステムを開発した格好だ。8月からアルフレッサの首都圏の店舗で導入をはじめ、全国の支店はと順次拡大していく予定だ。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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